• 現代ファンタジー
  • 恋愛

『彼女の声は収益化されました』第5章を公開しました ー 夕凪ゆうぐれ、配信開始

https://kakuyomu.jp/works/822139840990179172/episodes/822139841069048354
新作長編
『彼女の声は収益化されました』
第5章を公開しました。

第4章までは、
・茜の死と「ピザの約束」が叶わなかったこと
・日向家から預かったスマホやボイスメモを集めていく蓮
・誰にも聞かせるつもりのない『private_akane』フォルダの中でだけ鳴る、“私だけの彼女ボイス”

といった、「部屋の中だけに閉じた幸福な地獄の入口」を描いていました。

第5章では、いよいよそこから一歩踏み出して、
「夕凪ゆうぐれ」としての匿名配信が始まるパートになります。

・仕事で培ってきた音声処理やボイチェン技術
・茜の声と、AIモデルとしての「akane」
・“彼女の美学”を守りたい気持ちと、「誰かに聞いてほしい」という欲望

その全部を、蓮は「実験」という名目で配信サイトの枠に流し込みます。

最初は、ほとんど誰もいないコメント欄。
スパチャどころか、視聴者数の数字もろくに動かない、静かな配信。
それでも、一人、二人と「この声落ち着く」「ずっと聞いていたい」と書き込む人が現れていく。

本来なら、茜が一番嫌っていたはずの
「かわいそう」「守ってあげたい」「癒やされる」
といった言葉たちが、少しずつチャット欄に集まりはじめる章です。

この第5章は、
・“部屋の中だけの声”が、世界に向けて開かれてしまう始まり
・蓮が「技術者」としての自分と、「彼女に執着するただの人」としての自分を、ごまかしながら折り合わせようとする段階

を描いた、物語的には**「配信地獄のスタートライン」**にあたるパートになっています。

ここから先、数字とグラフはどんどん右肩上がりになっていきますが、
そのたびに、蓮のほうは少しずつ削れていきます。

重めのテーマが続きますが、
タイミングの合うときに、ゆっくり読んでもらえたらうれしいです。
感想・レビュー・★やフォロー、本当に励みになっています。

コメント

コメントの投稿にはユーザー登録(無料)が必要です。もしくは、ログイン
投稿する