• 異世界ファンタジー

とある物書きに起きた本当に怖い話~無限推敲編~

『読みに来て下さってる方がいるんだから何か書いとけ』と、イマジナリーボイスが囁いてる気もしなく無いので、しょーもないですが小話を一つ。


……あれは、酷暑の続く八月の出来事でした。

 当時カクヨムに小説を投稿していた私は、直しまで済んだ作品を下書きとしてアップロードし、投稿直前に最終チェックをするルーチンで活動しておりました。
 そんなある日、

「っ、おかしい……。まさか、そんな筈は……!?」

 震えが、這い上がる怖気が、安いメンブレンのキーボードを軋ませます。
――チェックしていたその下書きは、随分前に完成させた筈でした。

『イヤッホオオオオウ!! 完成したぜ!! 俺は、シェイクスピアだああああっっ!!』……等と、狂喜乱舞したのが遠い昔のよう。

 カッチ、カッチ……。

 00:02。投稿時間はすぐ目前に迫っています。
 ありもしない柱時計の音が聞こえるくらい、私は追い詰められていました。

「……何故、だ……?」

 想像上の原稿用紙をびりびりと破り、丸め、投げ捨てます。
 地球環境に優しく、サスティナブルでした。

「こんな……こんな筈では……っ。あああ、あああああああ――」

 私はイスから転げ落ち、ベッドに寝そべります。
 カッチ、カッチ……と、またあの時計の音がしました。
 それはあたかも――、“終わり”の刻限のようで。

「おかしい、だろ……っ。次から次へと『こっちのが良くね?』『いやいやこっちっしょ』――って、無限に直せちまうなんて……っ」


――そこは、作家が迷い込む無限回廊。
 あなたが訪れるのは、明日かもしれない……。


第三章 夜会編は8/16日00:02から公開予定です!!

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