悪役天才道術士の憤怒 破滅確定だった転生悪役、隠された才能で原作を蹂躙する
https://kakuyomu.jp/works/16818093081011748966これがもうすぐ完結予定なので設計? 造り方? コンセプト? みたいなものを語っていきます。なお、激烈にネタバレを含みます。
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ネタバレを承諾したものとみなします。
物語そのものについて
・コンセプトは『悪役貴族もの』というよりも『悪役令嬢もの』
どちらも転生するか未来視によって死の運命を知り、その回避のために頑張っていたらもともと高かった能力のお陰で実力がついて主人公倒すわヒロイン(ヒーロー)を夢中にさすわ領地は栄え歩くたびに花が咲き空からは黄金が降り注ぐでしょう……みたいなコンセプトではある。
貴族ものと令嬢もので何が違うかと言えば、貴族ものの敵は身内だけど令嬢ものの敵は外とかもっと形のないもの、という感じだと捉えています。
梅雪が挑んでいたのは基本的に『死ぬ運命』なので外にあり、『両親に愛されてる妹』みたいな具体的な身内エネミーがいるケースと比べるとテーマとして自由度が高い。自由度が高いので短期目標の設定と手段で個性が出せる。そっちのが好みなのでそうした。
・領地経営ものではなく、個人の武を求める方向
たくさんの有能な仲間を揃えて領地に抱える問題に転生ならではの知恵(現代知識・未来視)で解決法を示していき、栄え、富む……というのが領地経営ものだと思われます。
でも梅雪くんは『家を潰す性格ドクソ野郎』で設定しているので、潰れる家が弱いと性格の強さが立たない。弱い=主人公や仲間で問題を解決して大きくし栄えさせる余地があるということ。なので最初から解決すべき政治的問題のない家にした。
個人の武勇を鍛える方向にしたのは『心を強くする』という目標のわかりやすい表現方法として。ただ力圧しでどうにかできてしまうとつまらないので最初のラスボスを剣聖(無能力者、技量のみ)にした。
・舞台設定について
真面目な世界だと作者が飽きるからおかしなこと書きやすい強度と融通性のある舞台にした。
いわゆるIPとして考えるとエロゲー世界ならエロ売りもあった方が読者側に示したコンセプトとのズレが出にくい。でもエロシーンを挟むような構造にすると話そのものの進行が遅くなるのでやらなかった。あとエロを売りの一つにしようとすると梅雪の性格が違うものになった。この性格で設計してるので困る。
キャラクターについて
・氷邑梅雪
主人公はそのキャラのコンセプトとなる感情から設計する。梅雪は『怒り』で設計した。
私の書く主人公はだいたい『怒り』で設計してる。その方がわかりやすい主人公になる。あと、この話はある程度のヒット(☆3000)を狙って書いたものなので、主人公のわかりやすさは重要視した。ヒットを見込めないでいいなら『諦念』『喜び』『自己陶酔』なんかも主人公にしやすい感情です。
3000いくように書くと5000いくというのが計算に入ってなくて望外の数の星をいただけました。ありがとうございます。
・アシュリー
ガキを書きたかった。
・ウメ
いわゆるところのなろう系ヒロインを目指した。
なろう系ヒロインは個人的に三要素が重要だと考えている。
有能、従順、シーンの邪魔をしない。
主人公にとってシナリオ上必要だが文字数上あまり解決に臨んだ描写をしたくない問題を解決する能力を持ち(有能)、主人公を裏切る展開がないと信頼できて(従順)、必要のないシーンにでしゃばって文字数を増やさない(邪魔をしない)というのが少し古いなろう系ヒロインだと思っている。現在はここに『重さ』『曇り』などが入るのでちょっと混ぜた。
あとNTRれは嫌いでも奪還は好きな人多いと思われるのでその要素も入れた。人気になるヒロインという造形ではなく、嫌われにくいヒロインという造形。こういうのを意図して入れないと私が好みで書くヒロインは嫌われまくる性格になりがちなので(嫌われるようなヤバい女が好きだから)。
・剣聖
私は『|敵《ヒロイン》』みたいなものを好むので剣聖はモロにその造形。
話の上で『主人公の中・長期目標』が必要であり、主人公が武勇の向上を通じて心の成長をしていくタイプなので、武勇方面で主人公より名と実力があり、同程度の才覚がある存在という必要性があったのでそうした。
目隠しシスター要素はただの趣味なので特に理論はない。目隠しシスターが好きだから。
・桜
最初どういうキャラかは決めてなかったけれど、このデザインの話なら『本来の流れにおいて悪役をざまあする主人公』に触れないわけにはいかなかったので入れた。
最初は何も決まっていなかった。ただ主人公の『中の人』と同じ世界から来た転生者で……は絶対にやらないとは決めていた。このポジションをその設計にするメリットが全然わからない。話によるのかな。
最終的には主人公とラスボスは互いに互いの方向へクソデカ矢印を向けていた方が楽しい(特に武勇を競うようなものの場合、互いに矢印が向いてない敵はただの障害物にしかならず、倒しても達成感がない)のでそうした。あと、『最初からそう』より『だんだんそういう風になっていく』方が主人公(成長する、変化する視点人物)のコンセプトに沿うのでそうした。
・夕山
帝都騒乱は全員がわけわからん動機で散発的に混乱を起こしたのがめちゃくちゃ重なる話なので、この章で出てくるヒロインとして設計した時点で、なんらかの方法で『裏がない』『裏切らない』『どんでん返しでボス化しない』を読者に信じさせる必要があった。
その方法として梅雪のことが好き、というのは取りうる中で最もわかりやすい造形だったが、立場がある人が立場のある人を好きだとどうしても打算が見えてしまうので、中身を転生者にして『立場』の値をリセットし、その上でわかりやすく裏切らない理由として顔のガチファンということにした。わかりやすい。
作中だと実は一番精神年齢が高いのだけれど、主人公より精神年齢高いムーブしすぎると鼻につくので変態にして、精神年齢高いムーブはなるべくしないようにした。
ちなみに神器適性は梅雪が興味を持つわかりやすい理由として置いたスキルなので、登場時点でどういう効果か決まってなかった。なんなら最後も決まってない。名前的に神器が話に出てきたら効果がないことを確かめる必要性があったのでそういうシーンは挟んだ。たぶん衛星ニニギを起動できるんじゃないでしょうか。知らんけど。
・祖母
何? わかんない。なんでああなったんだろ。怖い。
・銀雪
放任のくせに監視はするヤバい父親というのが完璧にシナリオの都合で出来上がったキャラクター性だったので、ちょうどいいからこれに物語を持たせたら、予想以上に悲劇の人になってしまった。
・龍ゾン寺
まず最初は存在さえしなかった。
・大友国崩
最初からだいたい決まっていたまま出てきたほぼ唯一のサブキャラ。
・島津
掘り下げようと思えば掘り下げられるが、九十九州はちょっと細かい事件とキャラが多すぎてそんな暇はなかった。掘り下げてもあんま奇妙なエピソードはない。
・梨太郎
桃太郎モチーフのキャラクターは出そうと思っていたら変身した。『シナリオの上で出会うと負けイベントじゃねこれ? となるぐらい強いNPC』はこの手のゲームではいるべきだと思っているので、強そうな要素全部盛った。
・大辺
モデルは作者
・イバラキ
最初はもっとモブい山賊の親分だった。合法ロリになったので思いついたスキルを元にキャラを立てていったら軍師になった。
・はる
主人公が家を出て行かない動機が欲しかった。
・サトコ
透き通るような学園物の世界観。
・マサキ
力を持った小物という造形。梅雪の成れの果て。心の成長をしないまま強さだけ手に入れていた場合、梅雪はこうなった。
・七星彦一
勝ち続け思い通りになり続ける主人公をずっと見てても面白くないので、なんらかの理由で主人公の予想・予定を裏切るキャラが欲しかった。
なおかつ敵ポジションでそういうキャラは多そうだなーと思っていたので味方ポジションで欲しい=読者からのヘイトをかわない、というバランスを求めたらこうなった。
・熚永アカリ
最序盤の敵として最高の出来だったと思う。
・熚永平秀(ヨイチ)
剣聖のついでに殺されるモブのはずだった。なんか立ったな、キャラ。
・帝都火撃隊
帝都騒乱という章の役割として世界観を示す必要があり、しかし世界観がコレなので示し方が非常に難しい(土地ごとに違う)。
なので見た目と存在でわかりやすい『パロの多い話です。機械と肉体で殴り合いが発生します。そういう世界なので特にそこに疑問は生じません』というのを追求したら完成したのがこれ。
・北条ジャー
昭和~平成中・後期あたりをあの土地にまとめた。
・たぬき
何? もともと存在さえしなかった。三河ぽんぽこパークとか書いた時は完全に指が滑ったと思った。何? わからない。
・七星織
ロリババアが酷い目に遭うのが好きだから、いる。
・ムラクモ
帝都騒乱における物語上のロールとして、梅雪合流までに夕山を守る人材が欲しかった。
なおかつその人材は夕山を裏切って被害に遭わせない保証がいるので、ああいうキャラ造形とエピソードを背負うことになった。
・氷邑トモリ
はるの母親。銀雪の妻。書籍版を書いてたらそのポジションのキャラが必要だったので作った。梅雪と仲が悪いのは梅雪の母を慕っているから。あと梅雪と性格がめちゃくちゃ近いから。最新話で生まれた梅雪の娘と性格はそっくり。
・まつろわぬ民
もしかしたら内政ものエピソードも書くことあるかなーと思って、あとで書きたくなってもいいようにそっち要員で出した。
書きたくなることはなかった。あと主人公の湧き潰しという動機で梅雪が動くので、主人公を支える初期人材にある程度の人格が必要だったというのもある。
追記
・異界の騎士ルウ
味方になるので、その章で主に争った剣聖より正しそうでまともそうに見えるキャラ造形にした。剣聖・梅雪との戦いの最中にサトコがゲットしたの色々言われそうだと思ったので次エピソードで梅雪視点の「いいんだよ」を結構書く必要性が生じた。
・異界の魔法使いヴィヴィアナ
目的はないが力だけはあるキャラクター。気まぐれで動く。信念がない。私が神を描くとこういうふうになる。たぶんヘキなんだと思います。
・サカイのサイカ
出す機会なさすぎた。狙撃手ヒロインはヨイチで間に合ってしまったので(ヨイチがあそこまでキャラ立った弊害で出なかったヒロイン)。
最後に
思いついた順にいろいろ書いていきました。
どちらかと言えば自分用のメモ書きです。
作品は週内には完結予定なので、最後までお付き合いください。
失礼いたします。
稲荷竜