先日、とても嬉しい読者コメントをいただきました。
「最初は展開が早くて分からなかったけれど、二度目に読んで“ああ、なるほど”と思えた」
──そう言っていただけたこと、作者として本当に嬉しくて、何よりの励みになりました。
『フィーネの白い兎』は、少し複雑な構造で進んでいく物語です。
登場人物が多く、はじめは戸惑われるかもしれません。
でも、少しずつ読み進めたり、ふとしたときに読み返していただけると──
「あの言葉には、そんな意味があったんだ」
「あの場面は、そう繋がっていたんだ」
と、気づいていただけるように設計しています。
「私の願いは…叶うの?」という問いは、主人公・ありすが心の奥に抱える“再会への想い”を象徴しています。
それは単なる願いではなく、時間や記憶、そして失われたものと向き合う旅の出発点でもあります。
また、「姉との唯一の繋がり」に触れていただけたことも、とてもありがたく感じました。
彼女がそこに通い続けた理由や、絵本に込められた“何か”は、物語が進む中で少しずつ明かされていきます。
この物語全体が、“願いとは何か”をめぐる長い旅路です。
そのなかで、もし少しでも“想い”が届いていたのなら──それだけで、書いていてよかったと感じています。