このエピソードは、矢口 愛留様(
https://kakuyomu.jp/users/Ido_yaguchi )に贈っていただきました。
矢口先生、ありがとうございます✨
時系列としては、#2.10. Angel [Luna]の後、ということになります。
未来とアオの可愛らしい掛け合い、とくとご覧ください!
――*――
未来は、アオと共に街へ買い物に来ていた。
若葉家で預かることになったのはいいものの、身長130cmの子が着るような服の用意がなかったからだ。
古くからの港湾都市であるこの街には、歴史ある洋館も多数残っていて、異国情緒が漂っている。
海沿いの複合施設には、服飾や雑貨の店だけでなく、レストランやアミューズメント施設まで併設されていて、外の世界を知らないアオを連れてくるにはもってこいの場所だった。
「未来さん、あれ、なに? 大きな、丸い鉄のかたまり」
アオの目は、施設に併設されている観覧車に釘付けになっていた。
未来は、にっこり微笑むと、アオに説明をする。
「ああ、あれ? あれはね、観覧車っていう乗り物だよ。ゴンドラに乗って、高いところからの景色をゆっくり楽しめるの。後で乗ってみようか」
「うん、でも、少し怖い……」
「ふふ、ものは試しだよ。まあ、でもとりあえず先にお洋服見なくっちゃね」
「うん」
アオは観覧車から目を離すと、辺りをキョロキョロと見回した。
どこも人が多いし、賑やかだし、建物がいっぱいで、迷子になってしまいそうだ。
未来は、アオが不安がっているのを察知して、手を繋いだ。
「はぐれないようにね」
「わかった」
二人は、子供服を売っている店に入店した。
アオの身長は130cm。学童用のコーナーへと向かう。
だが、未来はすぐさま困惑することになる。
「アオちゃん、って……男の子用と、女の子用、どっちの服?」
「……僕、どっちでもあるから、どっちでもいいけど……」
「そうよね……じゃあ、好きな色は?」
「……特にない、かな」
「うーん……」
男の子用の服売り場には、黒や紺、紫、緑など、暗めの色合いの商品が並んでいる。
抜けるような白い肌に淡い青の瞳、プラチナブロンドというアオの淡いパーソナルカラーには、合いそうにない。
ちなみに今アオが着ている服は、ブラウスにショートパンツ。
今のような中性的ないでたちも良いのだが、せっかく綺麗な顔をしているのだから、女の子の服も着せてみたいと未来は思った。
「じゃあ、こっちの棚から選びましょう。パステルカラーやシフォンカラーのお洋服の方が、アオちゃんには似合うと思うのよね」
「わかった」
未来は、気になった商品を手に取り、次々とアオの正面にかざして、合わせていく。
「オフホワイトも淡いブルーも可愛いけど、ピンクとか薄紫も似合いそう。アオちゃんは、これから身長伸びそうだし、ちょっと大きめの140cmぐらいのサイズが良いかもしれないわね。ちょっとこれ、試着してみてくれる?」
未来は、白いふわふわニットのカーディガンと、ベビーブルーのワンピースを手渡す。
足元は、横にリボンのついたショートブーツと、ニーハイソックスだ。
「未来さん……これ、着かたが分からない」
「あっ、そっか、そうよね。ごめん」
確かに、いきなりワンピースというのは、ハードルが高かったかもしれない。未来は謝った。
「じゃあ、着替えるの手伝ってあげる」
結局未来はアオと一緒に試着室に入って、手伝ってあげることにした。
そして。
アオの試着が完了し、改めて全身をチェックする段になって、未来は驚愕した。
「こ、これは……!」
ベビーブルーのワンピースは、アオの瞳の色に近くてすごく良く似合っているし、大きめサイズのニットのカーディガンは、手の甲をすっぽり隠す、いわゆる萌え袖だ。
そして、ニーハイとワンピースの裾の間の絶対領域が眩しい。
未来は、思わず片手で目を覆ってしまった。
「……似合わない?」
「ひゃわわ……!」
アオは、萌え袖のまま手を顎にあて、こてんと首を傾げる。
その萌え成分たるや、レベルが高すぎて、未来にはクリティカルヒットだった。
尊い。尊すぎる。
未来は慌ててハンカチで鼻を抑えた。
「……僕、やっぱりこういう服より、ブラウスとパンツの方がいい。なんか、落ち着かない」
「そ、そうね。うん、やっぱりベーシックなものにしましょう」
むしろ似合い過ぎるほど似合っているが、こんな完璧美少女が街を歩いていたら、誘拐されてしまいそうだ。自分の方こそ落ち着かない。
未来は、結局、アオが元々着ていたブラウスに近い服を数着と、無難なデニムのパンツを購入することにしたのだった。
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矢口先生、ありがとうございました!