ラクモラ - 「笑い顔の群れ」
現在確認できている成体のおおよその特徴。
* 分類: 四足歩行の脊椎動物(暫定)
* 体高: 約90-110cm
* 体長: 約160-200cm
* 体型: 胴が低く幅広い、短く頑丈な四肢
* 体表: 不規則に発達した角質層、湿り気のある粗い皮膚
* 色: オリーブ色から暗褐色、背には黄緑色のまだら模様
* 顔: 灰白色の硬い皮膚、上向きに固定された口角
* 食性: 雑食性(暫定)
* 社会性: 複数個体で行動、六頭の群れを確認
* 主な生息環境: 湿った森林の林床、落葉や腐植の多い場所
* 確認地域: ミオリンの森
ミオリンの葉が重なる林床で、六頭のラクモラを見かけた。
太い木の根元に三頭、その奥に二頭、少し離れた場所にもう一頭。どの個体も頭を低く保ち、濡れた落葉の隙間を鼻先で探っていた。
私が足元の小枝を踏むと、手前の一頭が動きを止めた。続いてほかの個体も顔を上げ、ほとんど同時にこちらを向いた。
体は低く、脚は短い。肩から背中にかけて厚みがあり、立ち止まると腹が地面に近く見える。前脚は特に頑丈で、柔らかい土に足を置いても体が大きく傾くことはなかった。
皮膚には暗い褐色とオリーブ色が混じり、背中に黄緑色の模様が広がっている。近くで見ると、模様の境目には細かな凹凸があり、角質が厚くなった部分と柔らかい皮膚が入り交じっていた。水気の多い場所ではその凹凸に泥が入り込み、濡れた苔にも似た色になる。
顔は体よりずっと白っぽく、口の両端が上へ曲がっている。目の下から頬にかけての皮膚も、その形に沿って引き上げられていた。
遠目には笑っているように見える。けれど、首を動かしても口角の位置は変わらず、近くで観察した個体も同じ形をしていた。表情として動かしているものではなさそうだ。
小さな目は濁った灰色をしている。視線が合っているのか確かめにくく、六つの顔が一斉にこちらを向いたときには、思わず足を止めてしまった。
目の下には細い穴が左右に一つずつある。群れが顔を上げた際、その縁がゆっくりと狭まったり開いたりしていた。鼻を動かすときとは少し違う動きで、近くの空気に反応しているのかもしれない。
こちらが動かずにいると、前列の二頭がごくゆっくりと一歩進み出た。
残りの四頭はその場にとどまり、顔をこちらへ向けたままだった。私はそれ以上近づかず、倒木の陰へ下がった。しばらく待っても追ってくる気配はなく、やがて一頭が首を下げると、ほかの個体も少しずつ動き始めた。
六頭は互いに距離を取りながら、落葉の多い場所へ散らばっていった。一頭が鼻先で葉を押しのけ、別の個体は前脚を使って湿った土をかき寄せている。
群れがいた一帯には、ナスカルと思われる大型獣の深い足跡があった。
重い足に踏まれた腐植土がめくれ、その下の黒い土が露出していた。狭い場所では周囲の葉も押し倒され、古い植物の破片が表面に出ている。
ラクモラは、特に土がめくれた場所で長く足を止めていた。
一頭が鼻先を地面に押し当て、口を小さく動かしていた。何かを口に入れたのかもしれないが、手前の葉が邪魔をして、そこまでは確認できなかった。
別の日にも、深く踏み込まれた土の周囲を数頭が歩き回る姿を見た。湿った落葉を鼻で押したり、前脚で崩したりしていたが、ナスカルの通った形跡が見当たらない場所でも同じ動作をしていた。
ラクモラの口はそれほど大きく開かない。近くで顎を動かしていた個体には、唇の隙間から短い歯が見えた。落葉の下にある小さな生き物や柔らかい植物片を拾うのに使っているのかもしれない。
群れの移動にも気になる点があった。
先ほど前に出た二頭は、移動を再開すると後方へ回っていた。代わって別の個体が先を歩き、ほかのラクモラは一定の間隔を空けて続いた。どの個体も、ときどき鼻先を地面に向けて歩みを緩めていた。
観察を終えて元の場所へ戻ると、六頭の姿はなく、泥の上に足跡だけが残っていた。
足跡の先には、鼻先で押し分けたらしい落葉が集まっていた。その下の泥を指で払うと、細い根の間から小さな虫が走り出した。
周囲には浅く掘り返された場所がいくつかあり、似たような跡が木の根元にも続いていた。
※ラクモラは『カイロ』本編に登場する生物です。
※掲載画像は、作中の生物をイメージしやすくするために生成AIを用いて制作した参考ビジュアルです。生物設定・生態・世界観・作品本文は作者自身が制作しています。