【名前の由来・キャラクター設定】
この作品では、三人の名前は単なる名前ではなく、それぞれのキャラクターの核になっている。
名前の意味、親の願い、きょうだいの関係性が、創磨、芽依、望来という三人を形づくっている。
■創磨
創磨の名前には、
「自分を創る」
「人に流されず、自分で考えて生きる」
「自分自身を磨いていく」
という願いが込められている。
“創”には、作る、始める、世界を生み出すような意味がある。
“磨”には、自分を磨く、力や心を少しずつ鍛えていく意味がある。
創磨は、マイクラ風の世界で、ただ知識を使って無双する子ではない。
怖がりながらも、考え、作り、失敗し、妹たちを守るために少しずつ自分を磨いていく子。
最初から勇者なのではなく、妹たちを守る中で、自分を創っていく子である。
■芽依
芽依の名前には、
「もらったものを大切に育てる」
「水をやり続け、やがて芽が出る」
「まっすぐ、粘り強く育ってほしい」
という願いが込められている。
芽依は、ただかわいい妹ではない。
強気で、負けん気が強く、自分を見てほしい気持ちがある。
家では謝らないことも多く、怒ると叩き返すこともある。
でも、望来をとても大事にしている。
望来の服を直す。
望来を抱きしめる。
望来の世話をする。
危ない時には、創磨を頼りながらも自分で動く。
芽依の「芽」は、小さなものを見つける力にもつながる。
石、木片、葉っぱ、花。
普通なら見過ごすものを拾い、異世界ではそれが何度も命をつなぐ。
芽依は、小さなものを見つけ、それを役に立て、自分自身も少しずつ育っていく子である。
■望来
望来の名前には、
「望んだものが来る」
「待っていた子が、家族のところへ来てくれる」
「生まれてきてくれてありがとう」
という願いが込められている。
望来は、家族に深く望まれて生まれてきた子。
生まれる前から、家族の中に場所があった。
さらに、望来の名前には芽依の願いも入っている。
望来が生まれる前、芽依はずっと、
「くうちゃんがいい」
「赤ちゃん、くうちゃん」
「めい、くうちゃんって呼ぶ」
と言っていた。
父と母は、芽依が「くうちゃん」と呼んでも違和感がない名前として、そして「望んだ子が来る」という意味にもつながる名前として、「望来/みく」を選んだ。
けれど、生まれてから芽依はほとんど「くうちゃん」とは呼ばなかった。
「みく」
「みく、こっち」
「みく、めいの見て」
「みく、だめ」
そう呼ぶ声の中で、望来は家族の中に自然になじんでいった。
くうちゃんになるかもしれなかった妹。
でも、生まれてきたら、やっぱり望来だった。
望来は、末っ子らしくわがままで、兄姉のものを自分のもののように扱う。
人見知りがなく、誰にでも笑う。
怖い時はすぐ芽依や創磨の後ろに隠れる。
虫を怖がらず、少し不思議で、子どもらしく根に持つこともある。
そして、てんかんの薬を朝と夜に飲まなければならない。
水頭症に関係する発達の遅れがあり、長距離を歩くのは苦手。
だから、望来の存在そのものが、この物語の時間制限になる。
望来は、守られるだけの子ではない。
家族が帰らなければならない理由そのもの。
小さな輝く命である。
■三人の名前の関係
創磨は、自分を創り、磨いていく兄。
芽依は、小さな芽を見つけ、育て、支える妹。
望来は、望まれて来た小さな命。
三人の名前は、それぞれ別々の意味を持ちながら、物語の中では一つにつながっている。
創磨は、望来を守るために自分を創る。
芽依は、望来を守るために小さなものを拾い、役立てる。
望来は、二人が帰ろうとする理由であり、家族の日常そのもの。
三人とも、現実の子どもである。
泣く。
怒る。
わがままを言う。
疲れる。
怖がる。
失敗する。
でも、家族だから離れない。
創磨は、作ることで前へ進む。
芽依は、小さなものを拾い、意味を見つける。
望来は、生きているだけで家族を動かす。
