こんばんは、万木きるしゅです。
先日『アサシンは友を殺すか』を第15章まで公開できました。ハイヤーム&ハサンの学院時代に起きた『火星球落下殺人事件編』はいったん一区切り。きりのいいところまでは公開できたので、今後の更新ペースはゆっくりめにして作者自身の勉強や読書の時間を増やす期間にしようかなと考えています。
より文章力を上げて知識を深めたら、今まで公開した分もちょこちょこ手直ししていくかもしれません。
というのも、今回は(某ゲームにおけるハサン人気の影響で)ネタ被りする前に公開しなきゃ! という気持ちが先走って早く公開することを優先していたので、クオリティに未だ納得できない部分もあります。より良くしていくので、今後ともよろしくお願いいたします。
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さて。ここからは半ば恒例化してきた、小ネタ解説をしていきます。また長文になるので、ご興味ある方だけどうぞ!
【二人が宰相に要求したもの】
14章の中でニザーム・アル=ムルクに才能を見出されたハサンとハイヤームは、褒賞としてそれぞれ『宮廷の高官の地位』と『研究に必要なだけの援助』を願い出ます。これは、同級生伝説が元ネタ。
いつぞやの近況ノートでも書いたように、元々の同級生伝説は、ハイヤーム、ハサン、ニザームの三人が同じ師の元で学んだというもの。三人は、最も早く成功した者があとの二人を助けるという約束を交わし、ニザームがはじめに大出世して宰相に上り詰めます。その後、約束通りに二人を支援するのですが、その際にハサンが望んだのは『同じ宮廷に仕えること』。ハイヤームが望んだのは『(権力は好まないので)必要なだけの扶持』。――そしてその後、5章でさらっと触れたニザームとハサンのいざこざがあるわけです。
今作では伝説をリスペクトしつつ、大きくアレンジしてみました。
【ハイヤームの教え渋り】
15章で描写したように、ハイヤームさんは元弟子たちから『頑固だ』とか『教え渋りをする』と評価されていた様子。
それは現存する手紙にも現れているなあと感じます。
当時、王や身分の高い方が勉学でわからないことがあると、高名な学者に手紙を送って、自分の勉強の悩みに合わせた解説を送ってもらう――という今で言う『赤ペン先生』文化がありました。ハイヤームさんも幾度もお手紙で解説をしていたようです。
実際に彼が『世界の創造について』の質問を受けたときの返答を見てみると、こんな感じ。
『これはこうです。そしてあなたの質問に対してはこう。つまり〜長文解説〜……というのが多くの哲学者たちの見解の要約です。もしこれがしっかりした証拠に基づいているのならば、あなたの探究の旅を導いてくれるでしょうね。では』
さんざん長文で解説しておいて、あなたの見解じゃないんかい。最後にブン投げた感がアリアリ。おもしろすぎる。
イラン人のハイヤーム研究者の方は、『教え渋り』の理由はずばり『深く教えることは、(自らの考えを露出させることになり)彼にとっては危険だったから。教え渋りは生き残るためだった』としています。
その説に深く納得したため、拙作の中でも採用しています。
今回はこのあたりで。最後までお読みくださった方、本当にありがとう〜!!!