この作品で一番執筆が難しかったキャラクターを挙げるとしたら、迷わず魔女です。
彼女は最強と最弱が同居しています。
魔女の力は圧倒的です。
空気を操り、触れたものを内側から破壊したり、壁を空気で踏んで垂直に跳んだり。
ウォーカーを瞬殺する速度。
とにかく「人外感」が半端ないキャラクター設計にしました。
でもアリアがいなければ迷子になってしまいます。
力を使いすぎると記憶が消える。
あまりにも残酷な能力の代償です。
昨日まで一緒にいた仲間の顔が消え、名前が消える。
それでも——アリアへの感情だけはなぜか残る。その強い想いが最大の伏線だと思います。
魔女の癖として、不安なときにアリアの袖を「ちょん」とつまむ場面をちりばめました。
言葉より先に身体が動く。それが彼女の愛情表現です。
そして能力の代償が「記憶」であることこそ、魔女にとって唯一の存在証明なのでしょう。
魔女は深いところで戦いを望んでいません。その矛盾が瞳の奥ににじみ出ます。
無表情なのに悲しい。そのギャップが、彼女を「兵器」ではなく「人」として映せていたらいいなと思います。
