https://kakuyomu.jp/works/16818622171564588980/episodes/16818792439446431913告られ彼女の守り方 ~偽装から始まる、距離感ゼロの恋物語~
「第164話 秘密」の裏エピソードです。
本編最後に入れようと思いましたが、あまりにテイストが違いすぎたので
近況ノートに載せてみます。
その分ちょっと盛ってしまいました。
閲覧注意です。
暴力描写が苦手な方はブラウザバッグしてください。
九十九里の某倉庫内。
椅子に縛り付けられた血まみれの男は息も絶え絶えだった。
「や、やめて……もう絶対手をださない……ぐぁっ」
幾度目かの電気ショックを浴びる大男。
床には剥がれ落ちた爪の残骸が数枚と削ぎ落とされたぶよぶよした肉片が惨劇を物語っている。
「バカな男っすね……変に欲かいて自滅ってか。まあスタンドプレイってのは本当っぽいけど」
「あの店キャバクラに変えるってのはその場の思いつきだ。実際は土地の権利が目的で、後は二人をおもちゃにして、最後は……」
ペンチを握り力任せに握り潰す。
――男の悲鳴は誰にも届かない。
紫煙をくゆらしながら男は呟く。
「これで何回目かな。あの家に手を出したクソの始末をするのは」
「羽依ちゃん拉致ろうとしたやつらにはマサさんも相当熱が入ってましたよね!」
「中学生拉致ろうとするやつらに生きてる価値なんてあるか?」
「ごもっともで。で、こいつはどうするんすか?」
「……美咲にはまた外航船に乗せたって言っておくよ」
「……いいんすか? 後で知られたらマサさんが殺されますよ?」
「それができりゃな……あいつは腕っぷしが強いだけのカタギだ」
「その強さってのがやばすぎるんじゃないっすか。こいつ190以上あるっすよ。チャカ持ってたって勝てるかどうか」
「はは、まあそれはそれだ。強いだけじゃどうにもならないことだっていくらでもある」
「そっすかね。強けりゃどうにでもなりそうっすけど。――マサさんは妙にあの家に肩入れするっすね」
「あの家は……光が強いんだろうな。害虫がすぐに寄ってくる。俺は駆除役だ。害虫の始末が1匹2匹増えたって俺らにしたら今さらだろ?」
「そっすね! あ~あの店のポークソテーが食べたいなあ」
「お前もこんなクソ肉見てよく肉食いてえって思うな。まあ俺も食いてえって思ってたとこだ」
二人の男は笑いあう。
短い休憩を終え、続きを開始する。
耳をつんざく叫び声がまた響きわたる。
やがてか細く――。