• エッセイ・ノンフィクション
  • 現代ファンタジー

『美しいローレット』谷ゆき子名義 最後の作品

 谷ゆき子の生涯についてUPしました。これで一旦終了です。

https://kakuyomu.jp/my/works/16818792438145827514/episodes/822139837348564463

 挿絵用に、最後の作品。
『美しいローレット』
ディエレット作・翻訳:波多野未記・表紙挿絵:谷ゆきこ
1977年4月 集英社・世界の名作マーガレット文庫

 彼女の作品は、ほぼ雑誌に掲載されたものか貸本なので、生前に書籍化されたものはコレとモンキー文庫の『足ながおじさん』位です。
 でもって、ダメもとで大阪市立図書館の在庫を検索してみました……ありました。いやマジ何でもあるな、大阪市立図書館。
 ちなみに府立図書館には無かったから、50年位前に購入した書籍が劣化して廃棄されることなく、運良く残っていたという事なのだろう。待てよ、府立になくても同建物内の国際児童文学館だったら……あ、あった。でも1958年・講談社ってもっと古い奴かい!

 という訳で、まぁ運良く現物があって、禁貸出じゃなかったから借りる事ができましたので、参考用に写真に撮りました、と。

 一応、中身は読みました。中身は本当に小学生向き。お転婆・好奇心が旺盛な可愛い13歳のローレットが、軍人で大好きなお兄さんと離れるのが嫌で、ナポレオン率いるエジプト遠征の船に潜り込んで、悪い陰謀からナポレオン軍を守るという、よくある(?)少年少女活劇ものです。
 
 最初の前書きをコピーします。

 あなたは、エジプトという国《くに》をしっていますか。ふるいれきしの国《くに》、ピラミッドとさばくの国《くに》ですね。
 いまでこそ、ひこうきにのればひとっとびですが、このおはなしの十八 世紀《せいき》ごろには、フランスから、地中海《ちちゅうかい》をこえてエジプトへいくなどということは、大《だい》こうかいだったのです。まして、戦争《せんそう》をしているのですものね。
 むこうみずな少女《しょうじょ》、ローレットは、それでもおにいさんのアルバンについて、ナポレオン将軍《しょうぐん》の軍隊《ぐんたい》といっしょに、エジプトへいこうとけっ心《しん》しました。
 はたして、ぶじ、エジプトへいくことができるでしょうか。そしてエジプトには、どんなじけんがまっているのでしょうか……。(原文ママ)

 どうでしょう? 前に紹介した『バレエ星』と同じ雰囲気感じませんか?
 私もこの前書き読まなかったら、この本を読もうなどと思いませんでした。
 とはいえ大阪在住の方ならこの図書館で借りる、東京近郊の人なら国会図書館に行かないと読めません。一応ブックオフ・オンラインでもリストにはあるので買う事は可能と思います。現在在庫は無いけど、在庫待ちする事は可能。定価638円・中古価格330円。

 なお読んで気付いたのが、意外と中の挿絵が多くて、しかも表紙・裏表紙以外にもカラー挿絵まであるので、谷ゆき子を満喫できます。しかもこれが谷ゆき子の最後の仕事であるから、最も熟練した絵とも言えます。
※1985年に谷まどか名義で『ペポパピプ』という漫画描いていますが、タッチは全然違うギャグタッチです。

 絵の数を数えてみました。
 カラーページ、表紙・裏表紙入れて、全8頁。
 モノクロ全画面、12頁。
 文字入りの20%から75%イラストのあるページ、61頁。
 全部で180頁の本として考えたら、結構のイラスト率じゃないでしょうか?

 出来ればこの挿絵も写真に撮って紹介したいところですが、引用の粋を逸脱する可能性あるので、コレも気になる方は各自で画像検索してみて下さい。熱心な谷ゆき子ファンの方のブログ等で見つかると思います。

コメント

コメントの投稿にはユーザー登録(無料)が必要です。もしくは、ログイン
投稿する