• ミステリー

カクヨム10テーマ小説コンテスト参加を見送りました

 今回は少し、コンテスト参加について思ったことを書きます。

 『ウミホタル』で応募していたカクヨム10テーマ小説コンテストですが、私は参加を見送ることにしました。

 理由は、応募要項に記載されている「受賞作品の取扱い」が、作品に合わないと感じたからです。

 応募要項はこちらです。
 https://kakuyomu.jp/contests/kakuyomu_10theme/detail

 これを読んで、私が特に気になったのは次の点でした。

1. 改変して利用できる
 「受賞作品に変更を加えて利用すること」が明記されています。
 また、他の箇所には「作品の全部又は一部を翻訳、翻案、複製」して利用できるとも書かれていました。

2. 作者名を明示せずに利用できるとも読める
 「受賞者のペンネームを明示して利用することができる」とありますが、「できる」という表現なので、裏を返せば、明示するかどうかは利用者側の判断とも読めます。

3. 再許諾ができる
 KADOKAWA自身だけでなく、第三者に利用を許諾できるとあります。
 つまり、利用主体がKADOKAWA内部にとどまらない可能性があります。

4. 対価は賞品に含まれる
 「利用等の対価は、賞品に含まれます」とあるため、これらの利用に対する追加の対価は、少なくとも要項上は発生しないと読めます。

5. 応募時点で承諾したものとみなされる
 上記の取扱いについて、応募した時点で承諾したものとみなすとされています。

 私には、これらを総合すると、応募時点で、受賞作品について、作者名を明示しない形での利用も含め、改変・再許諾・追加対価なしの利用に同意したものとみなされる条件に見えました。

 この内容の受け止め方は、作者の考え方や作品によって変わるのだと思います。
 たとえば今回は提示されたテーマに合う作品しか応募できないため、テーマによっては応募作品数が絞られる可能性があります。そうした中で、まずは審査者の目に触れることを優先したい、受賞や露出の機会を重視したい、という作者の方にとっては、魅力のある場なのだと思います。

 一方で、自分が関与できず、追加の対価も生じない条件で、作品の一部が使われたり、改変されたり、アイデアや企画の種として扱われたりすることを受け入れにくい作者や作品にとっては、このコンテストはあまり相性の良い機会ではないように感じました。

 以上、今回は「コンテストにはいろいろな条件のものがあるのだな」とひとつ勉強になりました、というお話でした。

 もちろん、このコンテストに参加される方々の挑戦を否定する気持ちはまったくありません。参加される皆様にとって、良い結果や良い出会いにつながることを願っております。

6件のコメント

  • 私も今回は応募しません…

    「受賞した時点で」で上記のルールが適用されるようされるようですが、このコンは書籍化を全く謳っていません。

    つまり対価は図書券のみであとは煮るなり焼くなりお好きに、となるわけです。

    他プラットフォームのコンへの応募も原則禁止になると思いますので…

    皆様、それらを理解された上で応募されていらっしゃるなら良いと思いますが…
  • >小海倫さん

    仰る通り書籍化の可能性も不明なまま,幅広い利用を認める内容なので,特に以前から時間をかけて書いている長編などはあまり向いていないのかなと個人的に思います。

    とはいえ新作や短編であっても,コンテストでは各作者様が渾身の一作を出されているはずなので,応募時にすべて承知の上で皆様ご参加されていると祈るばかりです。
  • ゲッシルイさん

    ノートを読み、応募要項にも目を通し、私も応募を取り止めました。

    シェアワールドも、応募要項を読み、応募をやめました。

    良いタイミングでノートを拝読しました。


  • >アサカナさん

    ありがとうございます。

    私もざっと見ただけですが,シェアワールドのほうも条件は似ていますね。

    公式のお知らせの通り,みんなで共有できる世界設定を作る企画としては面白そうですが,設定を提供する側としては,権利まわりを見て,アサカナさんのように見送られる方もいらっしゃるでしょうね。

    参加する場合は,「みんなでアイディアを出し合うお祭り」として楽しめるかどうかが大きいのかもしれませんね。

    良いタイミングで読んでいただけたなら何よりです。
  • 驚きました。

    上記の件について3人のかたと話しました。

    中には、
    「商業出版では著作者人格権不行使は明記して当たり前」

    「改変されようが名前が出なかろうが海外進出できるなら歓迎」

    という意見を読みました。

    私は、『セクシー田中さん』騒動があちこちで起こりそうだと危ぶんでいます。

    カクヨムで活動するのも、考えものかもしれません。

    (こちらのコメントは不都合あれば削除します)
  • >アサカナさん

    お話の件,共有していただきありがとうございます。

    今回の条件で構わない,という方も一定数いらっしゃるのですね。

    たしかに,出版社が利用する上で著作者人格権不行使を求めることはあるでしょうし(著作者人格権への配慮を明記した契約をすることもできますが),変更を加えた利用自体は,実務上行われることもあると思います。

    今回疑問が出やすいのは,そうした広い範囲の利用が,作者を明示しない形での利用も排除されず,追加対価も保証されない形でも行われうる点だと思います。

    私もこの近況ノートを書いてから,他に気になる方はいたのかな,と少し調べてみたところ,他にも近況ノートで参加見送りを報告されている方が数名いらっしゃいました。

    やはり本件は,人と作品を選ぶ案件だな,と改めて思います。

    個人的には,カクヨムで出会った方々からいただくコメントのおかげで,作品を育ててこられたと思っており,カクヨムというプラットフォームには感謝していますし,現在更新中の作品は完結まで投稿したいと思っています。

    ですが,作品の取扱いや権利関係については,条件をよく確認することも大切だなと感じています。

    コメントの扱いまでお気遣いいただきありがとうございます。
    不都合はありませんし,むしろいろいろなお考えを共有していただけて,ありがたく思っています。
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