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「負け」から始まる覇道総裁@The LongTeng Saga

覇道総裁(もしくはCEO、御曹司系のジャンル)っていうと、世の中では「高圧的」「俺様」「怒鳴って解決」「ざまあ」みたいなイメージがありますが。
The LongTeng Sagaを始めるにあたって、「めっちゃ負けてる覇道総裁」っていうのを書きたかったんですよね。

昊天さんなんかもう、登場からして株価は急落だし銀行団はガバナンス不全とか言ってくるし経営権よこせとかいわれるし譜代の役員たちには放置されるしそれらは過去の自分の判断ミスによるものだし。
そして、家に帰ったら妻がいなくて勝手に「龍騰はもうおしまい」とか言われて離婚前提で話進んでいるし。
めちゃくちゃ負けてました。



突然ですが、平安時代の古典文学が大好きです。

今日更新の「帰る場所」、妻の実家からの帰還シーンは、平安文学の「おちくぼ物語」のクライマックスのようだなあと思いながら書いていました。
「おちくぼ物語」というのは和製シンデレラというような物語で、いわゆる「継子いじめ」――母親を亡くした美しい姫が意地悪な継母や姉たちにいじめられて毎日泣き暮らしているところに、右近の少将道頼という素敵な貴公子が現れて恋に落ち、姫を家から救い出す――というもの。
おちくぼ姫に恋人ができたことを察知した継母は姫を物置にとじこめ、身内のスケベ老人と結婚させて一生こきつかおうとけしかけるんですが、道頼は一家が出かけた隙に召使いたちと協力して屋敷に押し入り、物置の扉をこじ開けて姫を盗み出し連れ去って行きます。

しかし、本編では昊天さんは扉を打ち壊すことも声を荒げることもなく、「感謝申し上げる」と軽く頭を下げて、さっさと妻を連れていってしまいます。
「現代の右近の少将道頼」は、実家との関係も悪化させるわけでもなく、実に礼儀正しく事を成してしまうのだなあと、書いていて感心してしまいました笑

ネット小説でお約束の「ざまあ」を期待していた方にはすみません。
(おちくぼ物語では、道頼は義妹をだまして馬面の男と結婚させたり、継母が引っ越す予定の屋敷を取り上げたりと、さんざん「ざまあ」な展開で復讐するんですが)

「成り上がり」などと見下され、妻を一方的に連れ去られて昊天さんも内心ものすごく腹を立てているはずですが。
たぶん、来年の春節も何事もなかったかのようにしきたり通りに妻の実家に現れて、平然とした顔で食卓を囲んだりして、実家の人々を気まずくさせることでしょう笑
それが、ガバナンスの魔術師、李昊天流の「ざまあ」なのです。




今日のお絵描きは「あと30分で終わる」と言って仕事がんばる昊天さんとジア。

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