• に登録
  • 現代ファンタジー
  • 異世界ファンタジー

川崎紹介2「大師公園」

町丁名としての「大師公園」は、1965年(昭和40年)に大師町から独立して誕生した。住居表示の実施により、単なる公園としてだけでなく、地域の拠点としての役割を担っている。このように、大師公園は「公園」としての顔だけでなく、「町」としての物語もあわせ持つ、特別な存在である。

公園の中でも特筆すべきは、1987年に瀋陽市との友好都市提携5周年を記念して造られた中国庭園「瀋秀園(しんしゅうえん)」だ。その名が示す通り、この庭園には瀋陽市から贈られた資材が使用されている。その結果生まれた景観は、まるで中国の古都に迷い込んだかのような趣を持ち、訪れる人々に異国情緒と静けさを届けてくれる。石橋、池、水辺に垂れる柳の木──いずれもが美しい調和を成し、平間寺の和の風景と隣り合わせながらも、異なる文化の融合を感じさせる。このような特徴こそ、大師公園が持つ川崎の懐の深さを象徴していると言えるだろう。

なお、「瀋秀園」は今回の小説では登場させることができなかった。しかし、その魅力を別の機会に物語の中で取り上げたいと考えている。この庭園の美しさと物語性は、いずれ必ず作品の中で輝くだろう。

コメント

コメントの投稿にはユーザー登録(無料)が必要です。もしくは、ログイン
投稿する