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赤ずきん


 グリム童話の『赤ずきん』は姥捨て、子捨ての話だという説を定期的に推したいイオリです。以前も近況ノートで触れた気がする。

 子供の頃は違和感すら抱かなかったけれど、そもそもなんでおばあさんが恐ろしい狼のいる森に住んでんだ、って話です。で、なんでそんな危険な場所にいたいけな少女を1人で送り出すんだ、です。口減らしと作中で明言されているヘンゼルとグレーテルの方が清々しく感じるほどの内容ですね。

 あと中世の時代、大罪を犯した人間は法の下に裁かれ、「狼になる」という命令が下されると誰の所有にも属さない森へ追放されるのだとか。その昔、森は異世界に通じる不気味な世界と考えられていて、そこへ住むということは「人間ではない=獣」とみなされたそうです。それが狼男などの伝説に繋がるのだとか。資料が手元にないので確認できないのですが、とにかく本で読みました(えっへん)

 という背景を踏まえた上で『赤ずきん』を読んでみると、色々なものが違って見えてきます。

 童話、当時の社会背景なんかも踏まえた上で読んでみたり、本当の元ネタを辿ると割とシビアで面白いです。『シンデレラ』も主人公が結構強かですし。相続権の獲得は大事!

 『赤ずきん』、『秘密の園と暗殺者』で大いにパロディしましたが、実は『黒い剣のノクターン』でもパロディをしたことがありまして。

 フロレンスがお母さんで、ディナダンが赤ずきんで、イグナーツがおばあさんで、セラフィナが狼なのですが、それを知ったディナダンがセラフィナを襲おうとして無邪気な返り討ちに遭う……というとても酷い内容になりました(猟師どこ行った)。気が向いたら載せます←


 『微笑む牙』、毎日更新しております ⇒ https://kakuyomu.jp/works/822139840437456361


 最新話への突っ込み。

 イ チ ジ ク は 全 部 食 べ ろ

 こう思われた方々がいらっしゃるはずです。

 お前なに一口だけ食べて転がしてんだ。食べるか食べないかどちらかにしろ。私が狼だったらブチ切れてたぞ。せっかく採ってきたのに! お愛想で食べるくらいなら最初から口にするんじゃねえ!(激怒)

 青年と(出会い当初は幼い)少女との組み合わせ、字面だけ見ると危ない様相がありますが、そこへ人ならざる要素が加わるとなんとなく許されたような雰囲気になります。何なのでしょうね。ああ片方は人間じゃないもんね、仕方ないかー。みたいな。


 ドラロッシュ? あれはアンの精神年齢が普通に大人でずっと年上だったから(必死の免罪符)

 この『微笑む牙』、前の近況ノートでは全部で9924字とか言ってましたが、今はなぜか9996字です。おかしいな。なんで増えた。

 1万字以内が至上命題なので、それだけは死守したいです。一話ごとの文字数も少なめなのですぐ読めますよ。皆様どーですか(じりじり詰め寄りながら)

2件のコメント

  • 森のニュースを見るたび、「赤ずきん」の世界が決して他人事ではなかったと感じます。

    かつて日本にも、森の均衡を保ち、熊の天敵として君臨していたニホンオオカミがいましたよね。

    赤ずきんの物語では、狼は脅威であり、罰であり、異界の象徴でした。
    でも中世の背景を思えば、「狼」とは社会から追放された者の姿でもあり、森の奥に息づく野性そのものの象徴でもあって……。狼は漢字だとけものへんに良いですからね、昔の人たちはどれだけ、オオカミに森で助けられていたのか伺えます。

    狼の存在が途絶えた今の日本では、逆に森が悲鳴を上げています。本当の均衡を取り戻すには、一体どの選択肢が正しいのだろう。

    そして、今ある命をどう守るべきか、考えさせられました。
  • 悠鬼よう子 様

    確かに、狼は残忍で狡猾なところにフォーカスが当てられ、だからこそ中世でも社会から追放された者の象徴として挙げられたのだと思います。ですが狼がいたからこそ森の均衡は保たれていて、人間がその恩恵を享受していた面もある。けものへんに良い、になるほどと思いました。
    狼がいなくなり、崩れてしまった現代の均衡。どう繕い、補っていくべきか。確かに直視した上で考えねばならない問題ですね…。
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