タイトル『嘘告された俺は呼び出しマジ無理体質になった~術の呼び出しを拒否ったら、びしょ濡れの女の子が落ちてきた。なぜか三つ巴の俺を取り合う女の戦いが始まってしまった~』
サイド 主人公
今日も快晴のすがすがしい朝。
俺は|組上《くみがみ》・|凡太《ぼんた》高校二年生。
「おはよう」
朝、俺が玄関出ると幼馴染の|零《れい》が待っていた。
「おはようございます」
そういうと|零《れい》は俺と手を繋いだ。
恋人とかではない。
ただの幼馴染。
幼稚園からの習慣に過ぎない。
本人に聞いたから間違いないと思う。
「チッ。お兄にくっつくなぁ!」
妹の|理図《りず》がヤキモチ焼く。
前から何度も恋人ではないと説明したけど、解ってくれない。
俺にモテる要素なんてない。
成績、スポーツもだめ。
特技なんてない。
体型はぽっちゃり。
悪口で豚野郎とか言われたこともある。
前にテレビでデブ専の女性のインタビューを見た。
太っている男性の隣にいると対比で痩せてみえるから、安心するらしい。
要するに痩せて見える鏡と一緒。
現実なんてこんな物だよ。
いるだけで安心させられるなら、ありと言えばあり。
勘違いさえしなければ。
俺は現実は解ってる。
|零《れい》と|理図《りず》がチクチクと軽い皮肉を言い合うのをBGMに歩くと、高校まではあっと言う間。
|零《れい》とはクラスが、|理図《りず》とは学年が違うので、校門の手前で別れて教室に急ぐ。
遅刻しないことだけが特技かな。
あまり胸を張れない特技だけど。
サイド |漆玖《うるく》
うちは|漆玖《うるく》俗にいうコギャル女子高生。
モテるのは知ってるけど、いまは友達と遊ぶのが好き。
実は好きな人がいるの。
小学生の頃、道に迷ってパニックになって泣いてたら、|凡太《ぼんた》が現れて助けてくれたの。
あの時もぽっちゃりだったけど、今も太っててイケてない。
成績もイケてないし、スポーツもイケてない。
100人の女の子がいたら99人は彼氏にしたくないって言うと思う。
でも、うちは好き。
何と言うのか包容力。
見ていると安心するの。
「ちょっと、|漆玖《うるく》の番よ」
「えっと、何だっけ」
今はちょっとしたゲームの最中。
「|漆玖《うるく》の負けね」
「罰ゲーム、確定」
「|凡太《ぼんた》の奴に嘘告ね」
「えっ」
「嘘告なんて、大したことじゃないでしょ」
「そんなに嫌だった?」
「凡太に告白。私だったら速攻で帰ってた」
嫌どころか逆。
めっちゃ嬉しい。
でも、ばれたら友達に馬鹿にされる。
それは絶対に駄目。
そうよ、嘘告から凡太がしょげたら、「悪評は困るから、友達からね」と言えば解決。
サイド |零《れい》
幼馴染の凡太は姉弟だと思ってた。
いつからか、モヤモヤしたものが芽生えてきて、たまらなく不安になる。
でも、告げることもできない。
言った瞬間にシャボン玉の様にはじけてしまいそうだから。
手を繋いで登校するのが精一杯。
今日もこの手の温もりで頑張れる。
「おはよう」
「おはよう。|零《れい》、何か良い事あった?」
「ううん、いつもと同じ」
「幼馴染の彼を男除けに使っているらしいけど、男嫌いなの」
「ええと、まあね」
「モテるのに、もったいない」
サイド 主人公
休み時間。
「凡太君、|漆玖《うるく》が話があるんだって、お昼休みに校舎裏で待ってる」
|漆玖《うるく》さんの友達が俺に告げる。
「うん」
何だろう。
俺はまさか告白?
モテない君の俺が校内一のイケてる彼女に告白される。
そんな夢のような展開なんてないと思いながら、スキップして鼻歌を歌いながらルンルン気分で急ぐ。
「お待たせ」
「ううん、いま来たところ。あのね、私、あなたがずっと好きだったの」
俺のドキドキと精神の高揚は頂点に達した。
翼があれば、嬉しさの余り大空を駆けまわっていたに違いない。
「キャハハ、キモっ」
「ほんときもいよね。みて廊下で録画した動画。いま友達が送って来たんだけど……お腹痛くて死にそう」
ぞろぞろと|漆玖《うるく》さんの友達が現れる。
「どういうこと?」
「ショックよね。悪評は困るから、友達からね」
「騙したのか?」
「キャハハ、あの顔。泣きながら、睨んでる」
「|漆玖《うるく》、きっぱり言ってやりなよ」
「えっと……。あああ! どうして! やけよ! ごめーん。暇つぶしなんだ」
|漆玖《うるく》さんの容赦ない一言が俺の心をえぐった。
俺はもう金輪際、呼び出しには応じない。
『呼び出しマジ無理体質を会得しました』と微かに聞こえた気がする。
「えっ、何これっ?!」
糞女達が騒ぐ。
何だよ。
涙がそんなに驚くことかよ。
あまりに様子がおかしいので、指している指先を視線で辿ると、俺の頭上に魔法陣。
ヤバい。
引っ張られている感覚。
でも、大したことはない。
力は治まった。
その瞬間。
魔法陣から、下着姿のびしょ濡れ少女が落ちてきた。
俺は慌てて、全身で受け止める。
彼女の全身から漂う下水の臭い。
アップで見た長髪の彼女はホラー映画の悪霊。
「名を授ける。お前はポチ。着替えとタオルを用意しろ。繋がりはあるから、式神でしょう。なんで従わないの」
「えっと」
「どこ触ってるの」
「下ろして欲しいなら、言ってくれれば」
俺は彼女を優しく下ろした。
「死んで詫びろ!……あへっ、なんで?! 命令を無視するな! 確かに服従のラインが繋がっているのに。なんで?」
「まずは俺にお礼を言って。腕がちょっと痛いんだから」
「ありがとうございます。き、き、貴方、何をしたの?!」
「何もしてないけど」
「ちょっと、無視しないでくれる! あなた、いじめられっ子の錦原さんよね」
|漆玖《うるく》の奴が会話に口を挟んだ。
「カオス過ぎて解らない。誰か説明して?」
俺は叫んだ。
これをイメージの叩き台として、プロットを何話か作って、AIに書かせればとりあえずはオッケーかな。
メインテーマは怪異との戦い。
それに感動と友情とギャグと恋愛をぶち込む。