金賀一は、愛車の年代物のバイクを爆音を響かせながら、新宿のネオン街を駆け抜けていた。ギラギラと光るネオンサインが、彼のくたびれたトレンチコートを怪しく照らし出す。
「チッ、またガソリン代が飛んだぜ…」
今回の依頼は、新宿を牛耳るヤクザの組長、神田原からのものだった。神田原の愛人が、組の資金を持ち逃げしたらしい。その額、なんと一億円。金賀一は、その金を取り戻す代わりに、破格の報酬を約束されていた。
「一丁、派手に稼いでやりますか!」
金賀一は、新宿の裏社会に精通した情報屋たちを次々と訪ね歩いた。ヤクザ、ホスト、キャバ嬢、そして怪しげなバーのマスター。金の匂いを嗅ぎつけ、彼は新宿の街を奔走する。
やがて、金賀一は、逃亡した愛人の足取りを掴んだ。彼女は、あるクラブのホストに入れあげ、大金をつぎ込んでいたらしい。そのホストの名前は、一条蓮。甘いマスクで女を虜にする、カリスマホストだった。
金賀一は、一条蓮が働くクラブに乗り込んだ。しかし、そこには予想外の罠が待ち受けていた。一条蓮は、ただのホストではなかった。彼は、裏社会を操る謎の組織の一員だったのだ。
「フフ…よくぞおいでくださいました、金賀一さん」
一条蓮は、妖艶な笑みを浮かべた。「あなたのような守銭奴探偵が、一体何の用でしょうかね?」
金賀一は、一瞬たじろいだが、すぐにいつものニヤついた笑顔を取り繕った。「お嬢さんが持ち逃げした金を探しに来たまでですよ。まさか、あなたが隠しているんじゃないでしょうね?」
「その金は、もう私のものですよ。あなたには、指一本触れさせません」
一条蓮は、背後に控える屈強な男たちに目配せした。金賀一は、絶体絶命のピンチに陥った。しかし、彼は諦めなかった。
「金のためなら、死ねるのが俺の信条だ!」
金賀一は、得意のハッタリと、持ち前の図々しさで、この窮地を脱しようと試みる。果たして、彼は一億円を取り戻し、無事に新宿を脱出することができるのか?そして、一条蓮の背後にいる謎の組織とは一体何なのか?
新宿の夜を舞台に、金と欲望が渦巻く、新たな事件の幕が開ける。
