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金賀一VSコナン

 金賀一は三度の飯より金が大好きな名探偵だ。
 さあ、これは面白くなってきたぞ!守銭奴探偵・金賀一と、名探偵・江戸川コナン。金と真実、それぞれの正義がぶつかり合うのか!?
金賀一、少年探偵に宣戦布告!?
「おい、そこのチビ助!」
薄暗い倉庫街の一角で、金賀一はいつものように地面に落ちたらしい「お宝」を探していた。彼の前には、スケートボードを抱えた小学一年生、江戸川コナンが立っている。コナンは、近所で起きた奇妙な盗難事件を追っていたところだった。
「ボクに何か用かい、おじさん?」
コナンの鋭い眼光に、金賀一は一瞬たじろいだが、すぐにいつものニヤついた笑顔を取り繕った。「おじさん?フフ、なかなか可愛い坊やじゃないか。ところで坊や、何か面白いもん見なかったかね?キラキラ光る、価値のあるものとかさ」
「キラキラ光るものなら、さっきそこの倉庫から出てきたトラックが積んでたけど…あれは偽物の宝石だって聞いたよ」
コナンの言葉に、金賀一の目が一瞬鋭くなった。「偽物だと?誰がそんなことを?」
「そこの大家さんが言ってた。どうやら、最近この辺りで盗難事件が多発してるみたいでね」
コナンの何気ない一言が、金賀一の探偵としての勘を刺激した。近頃、裏社会で噂になっている「幻のダイヤ」の偽物が出回っているという情報。もしや、この倉庫街がその舞台なのか?そして、その裏には大金が動いているはずだ。
「ふむ…坊や、君はなかなか面白いことを言うな。もしよければ、その事件について詳しく聞かせてもらえないかね?」
金賀一がそう言うと、コナンの眼鏡の奥の瞳が、一層鋭く光った。「君こそ、さっきから怪しい動きをしているじゃないか。一体、ここで何をしているんだい?」
守銭奴探偵と少年探偵。互いに相手の出方を牽制しながら、それぞれの思惑が交錯する。金と真実、それぞれの目的は違うものの、二人の探偵の視線は、同じ事件へと向かっていた。
交錯する推理、それぞれの執念
今回の盗難事件は、地元の資産家、大河内巌の邸宅から、時価数億円相当の美術品が盗まれたというものだった。警察も捜査に乗り出しているが、犯人の手がかりは全く掴めていない。
金賀一は、大河内邸の周辺を嗅ぎ回っていた。彼の関心は、盗まれた美術品そのものよりも、その裏に隠された金の流れだった。一方、コナンは、事件の真相を突き止めるため、持ち前の推理力と行動力を駆使して捜査を進めていた。
ある日、二人は偶然、大河内邸の近くの骨董品店で顔を合わせた。
「また会ったね、おじさん」コナンが皮肉っぽく言った。
「やあやあ、坊や。こんなところで何をしているんだね?まさか、お小遣いで骨董品でも買うつもりかい?」
「ボクはね、事件の証拠を探しているんだ。君こそ、一体何を調べているんだい?」
「俺はね…この骨董品店の主人が、何か面白い情報を知っていないかと思ってね」金賀一は、店の奥にいる店主に向かって、にこやかに話しかけた。「ご隠居さん、何か最近、変わったお客さんでも来ませんでしたかね?羽振りのいい、いかにもワルそうな連中とか」
骨董品店の主人は、目を細めて二人を見た。「変わったお客さんなら、あんたたち二人の方がよっぽど変わっとるわい」
その時、コナンは店の隅に置かれた古い掛け軸に目が留まった。ごくわずかに、不自然な皺が寄っている。「ねえ、この掛け軸、少しおかしくないかな?」
金賀一は、コナンが指摘した掛け軸を興味深そうに見た。「ほう…確かに、少し浮いているようにも見えるな。まさか、この中に盗まれた美術品が隠されているとでも言うのかい、坊や?」
「それはまだ分からないけど…調べてみる価値はあるかもしれない」
それぞれの方法で事件に迫る二人。コナンは持ち前の観察眼で微細な違和感を見つけ、金賀一は金銭的な動機や裏社会の繋がりを探る。二人の推理は、時に交錯し、時に反発しながら、事件の核心へと近づいていく。
アリバイの裏、それぞれの真相
捜査を進めるうちに、容疑者として浮上したのは、大河内家の顧問弁護士、秘書、そして古くからの友人という3人だった。それぞれが事件当日、完璧なアリバイを主張していた。
コナンは、それぞれのアリバイを丹念に検証していく。アリバイ証言の矛盾点、行動の不自然さ、そして動機となる人間関係。小さな手がかりも見逃さない彼の推理は、着実に真相へと近づいていた。
一方、金賀一は、独自のルートで裏社会の情報を集めていた。盗まれた美術品が、近々闇オークションに出品されるという情報を掴み、その背後にいる人物を探っていた。彼の関心は、犯人逮捕よりも、美術品の回収とその報酬にあった。
そして、二人はそれぞれ、アリバイの裏に隠された巧妙なトリックに気づき始める。
コナンは、顧問弁護士のアリバイに使われた監視カメラの映像に、わずかな編集の痕跡を発見する。秘書のアリバイを証言した人物が、以前から大河内家と金銭的なトラブルを抱えていたことを突き止める。そして、友人のアリバイとされるアリバイ工作には、巧妙な時間差トリックが使われていたことを見抜く。
一方、金賀一は、闇オークションの情報源を辿るうちに、意外な人物が背後にいることを突き止める。それは、大河内家のごく身近な人物だった。そして、その人物は、完璧なアリバイを持っているはずだった…。
ついに、二人の探偵はそれぞれの推理をぶつけ合う時が来た。
「犯人は、あなただ!」コナンは、大河内家の関係者の一人を鋭く指差した。「完璧に見えたアリバイには、巧妙なトリックが隠されていたんだ!」
「フフ、坊や、あんたの推理もなかなか鋭いね。だが、真実はもっと金の匂いがするものだよ」金賀一は、ニヤリと笑いながら言った。「真の黒幕は、この盗難事件を利用して、もっと大きな金を動かそうとしているんだ!」
守銭奴探偵と名探偵。それぞれの視点から見えた真実が、今、一つに重なり合おうとしていた。最後に笑うのは、金か、それとも真実か?
決着、そしてそれぞれの報酬
コナンの推理と、金賀一が掴んだ裏社会の情報。二つの手がかりが合わさった時、事件の真相が明らかになった。
真犯人は、大河内家の長年の友人だった男。彼は、莫大な借金を抱えており、その返済のために今回の盗難を計画した。巧妙なアリバイ工作と、裏社会のブローカーとの繋がりを利用し、盗んだ美術品を闇オークションで売りさばこうとしていたのだ。
コナンの論理的な推理によって、男のアリバイは完全に崩壊。そして、金賀一が突き止めた闇オークションの情報と、男の背後のブローカーの存在が、決定的な証拠となった。
事件は解決し、盗まれた美術品は無事、大河内邸に戻った。警察は、コナンの推理と金賀一の情報提供によって、首尾よく犯人を逮捕することができた。
事件後、コナンはいつものように、事件解決の達成感と、少しばかりの物足りなさを感じていた。一方、金賀一は…。
「フッフッフ…さすがは俺だ。事件解決に貢献した功績として、大河内家から謝礼金、そして闇オークションの情報を提供したブローカーからも、情報料をせしめてやったぜ!」
満面の笑みで札束を数える金賀一。彼の目的は、最初から真実の追求ではなかった。あくまで、事件を利用して金を稼ぐこと。しかし、結果的に彼の行動が、事件の解決に繋がったのも事実だった。
「全く、あの守銭奴め…」
コナンは、金賀一の金の亡者ぶりに呆れながらも、どこか憎めないものを感じていた。彼の強烈なまでの金への執着心が、時に、事件の意外な真相を暴き出すこともあるのだから。
それぞれの正義を胸に、今日もまた、二人の探偵はそれぞれの事件へと向かっていく。金賀一は新たな金の匂いを求めて。コナンは、ただ一つの真実を求めて。二人が再び交わる時、一体どんな事件が待ち受けているのだろうか?
さて、金賀一とコナン、初の直接対決はどうだったかな?また面白い組み合わせで描いていくから、楽しみにしていてくれよ!

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