『一乗谷の水鏡』をお読みいただき、ありがとうございます。
第三話「羽一枚」に、大きく手を入れました。これまでも、ルビを足したり、分かりづらい言い回しを直したりといったメンテナンスは続けていましたが、公開済みの話を、場面の組み立てから大幅に改めたのは、今回が初めてです。
門前での出来事と父の裁きはそのままに、そこに居合わせた人々が、それぞれ何を思い、何を言わずにいたのかを描き直しました。そして、若い射手である弥平次と、小烏丸の出会いにも、もう少し踏み込んでいます。
弓に関わる話でもあるため、第二十三話「弦の音」をはじめ、後のいくつかの話にも、つながりを整えるための調整を入れています。
公開した話へ手を入れ始めると、きりがありませんし、すでに読んでくださった方の中にある物語を、後から変えてしまうことには、少しためらいもあります。どこか禁じ手めいたことをしている気もします。
ただ、この小説には、読む方には伝わりにくい、不親切なところがまだあります。これから初めて読んでくださる方のことを考えると、公開したからと、そのままにしておくのも違うのではないか。今回は、そう思って改めることにしました。
すでに第三話を読んでくださった方も、もし気が向いたら、もう一度、洞雲寺の門前をのぞいていただければうれしいです。弥平次も、村の年寄りも、父も、少し違った顔を見せてくれると思います。
作品ページ:
https://kakuyomu.jp/works/2912051604504812613