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質問来てたのでお答えします。

※質問来てました。
『王国を併合した帝国。両者の争いに関係のない公国の一領が戦争に関与して大きな影響を及ぼした、更に王国内の勢力と手を繋いで力を付けてきている。公国としては何も問題ないのだろうか?ヴィクトールがさきの戦争に関与したのは王国も帝国もわかっているはず。本来ならダメだよね。何で帝国は黙ってるのかな。』

このあたり、書くと長くなるので端折ってましたが、折角質問が来たのでお答えします。本編には関係ありませんが、実は色々考えていたところなので、

「はいきたーーー! これで堂々と設定書いてもいいよね」

ってなわけで、回答をどうぞ。



まず前提条件ですがヴィクトールが先の戦争に関与した事は王国、帝国、そして公国政府も把握しております。特にブラウベルグでは、「旅行中に巻き込まれました」と政府へ報告しているくらいですから。

では、なぜお咎めがないのか。

端的に言うと、誰も〝咎められない〟からです。

まず王国。こちらは既に国としての体をなしていないので論外でしょう。自治政府もあくまでも帝国領自治区なので、本国の意向を無視してクレームなんて入れられません。

ではその帝国。なぜクレームを入れないのか。こちらはいくつか理由がありますが、大きく分ければ三つになります。

① 体面の問題
国内に「勝った」(表面上侵略ではないので、「勝った」はおかしいですが、便宜上)と喧伝した帝国が、局地的とはいえ、敗北を認める事は出来ない。これは後に挙げる理由③とも連動しています。
とくに公国のしかも一領の横槍で、などと言おうものなら、その勝利にケチがつくでしょう。

次に王国併合は帝国にとってあくまでも、王国民を救うためという名目。瑕疵を自ら認める発言は致命的です。

国際的には「狂信者に苦しめられている王国民を救うため」の戦いであり、本来であれば勝ち負けはありません。あくまでも混乱の平定が目的ですから。
狂信者を一掃することが目的であり、ヴィクトールと狂信者との繋がりを証明出来ない以上、「その横槍があった」などと言おうものなら、国際社会からの「なぜ?」という疑問を誘発しかねません。

② 戦後処理の負担
併合直後の元王国領は治安・行政・反乱分子への対処に大忙しだったりします。表面上は落ち着いて見える状況ですが、曲がりなりにも戦後ですからね。この混乱時に、新たな敵(公国)を作るような発言は控えるべきでしょう。

③ 帝国内の意見の分裂
帝国内部でも、強硬派、穏健派、反戦派(反政府派)と意見が今も分裂している状況です。
今回陣頭指揮を担ったラグナルとしては、強硬派にあたりますが、しっかりと現実を見据えられるだけの頭を持っています。今ここでヴィクトールの存在と、それのせいで先の戦いが完璧な勝利とならなかったと発表するとしましょう。結果、考えられるのは、各派閥のさらなる対立です。

強硬派:「その領地には制裁を加えるべきだ」
穏健派:「戦後処理を優先しろ」「証拠がないなら動くな」
反戦派:「そもそも無理な戦争だった。公国にまで手を広げるつもりか?」

体面を保つ理由は、国内の分裂を抑える目的もあります。

帝国内部が分裂して一番喜ぶのは誰か……。領地貴族でしょうし、もしかしたら漁夫の利を狙った第三国の可能性もあります。

つまり――
帝国上層部は咎めないのではなく、咎められない。
政治的に、外交的に、国内的に「咎める余裕がない」「咎めると自滅する」。
結果的に沈黙こそが最も有利な選択となっている。
簡単に纏めるとこんな感じでしょうか。

では次に公国ですが……

公国がヴィクトールに何も言わないのは、単純に戦争での〝功績〟が表に出せなくとも無視できないからです。

表には出せませんが、あの戦争で帝国を止めたのは事実。
「ヴィクトールのおかげで帝国が王国の一部で止まった」と、政府の中には内心感謝している派閥もあります。そりゃそうですよね。大河を挟んだハートフィールドとその先のガードナーが戦場になっていますから。下手をすると、そこから公国に流れ込んできた可能性もゼロではありません。
とはいえ、表向きに感謝を表明するのは帝国を刺激するでしょう。故に、公国でも沈黙こそが最も有効だと考えている。そんな感じです。

他にもヴィクトールの発展が、公国としても無視できないほどの経済効果をもたらしはじめたこと。以前シャドラーとのいざこざで、痛い目をみたこと。
その辺りを考慮して、黙って美味しいところだけをもらおう、という邪な考えもありますが。

とにかく、どの国も口を出そうにも出せない。そんな状況です。

もっといえば、そんな状況になるように、アラン、ルシアン、アルフレッド、の三人に加え、ロルフなども協力した結果が、先の戦いにおける〝試合に負けて勝負に勝った〟そんな形の終結に繋がっております。

このあたりをですね……細かく書くと、ランディやリズが出てこないで、名も知らないオッサン達が議場で「あーだ」「こーだ」言う話ばかりが続きそうなので、全カットしました。

ですが折角質問コメントが届きましたので、「キタコレ!」と趣味全開の裏設定を語らせていただきました。

この解説でご納得いただければ幸いです。

21件のコメント

  • まさしく政治ですなぁ┐(´д`)┌ヤレヤレ
    書籍化された暁には、裏設定てんこ盛りにしましょう!
  • 確かにこれを本編でやられると蛇足でしかないですね。
    とはいえ疑問に思う人もいるでしょうし設定の作りこみが甘いと思われてもなんですしそういう部分が本編外で説明があると作品の深みにつながるような気もしなくもないです?w
  • 臭いものには蓋をしろ!ってな感じですかね?
  • @YMS14S様
    書籍化でいっぱい設定を書けたらいいかもしれませんね。ただ流れを止めない程度になるかなーと。他にも書ききれてないルークとセシリアの日常だったりとかもあるので……。
  • 八雲様
    テンポが悪くなっちゃいますからね。そうでなくとも、進みが遅いので……汗
  • @shava4694様
    当にその通りかと!身も蓋もない言い方をすると、ですが。
  • 裏設定の政治の話、楽しそうに書いてますね。こういうのも好きでしょ。
  • 裏話楽しかったです。ただ物語のテンポとして語られないし、どう説明しても不満が出てくる人は出てくるので物語で語らなくてよかったと思いました。

    個人的にはヴィクトールの話題を出さない事に納得してました。帝国は混乱に乗じて王国の王都を落とす事は出来たがそれ以外では敗北、ライオネル将軍すら失う所だった結果を晒すのは強硬派には都合の悪い事だろうし。戦後処理にしても全員の首を飛ばして黙らせる予定の貴族が生き残った上に帝国軍を捕虜にしてる状況な訳で同盟めいた相手を下手に叩くと藪蛇になるので叩けない。公国側もちょっと前に領地存亡掛かるような決闘裁判をしてアランに頭下げさせた所にまたやらかすと貴族としての面目を潰してしまうので離反の大義名分になりそうだなあとか。

    しっかりと裏話まで出来てるんだなあと、大好きです。


  • @kappa2000様
    結構好きですね。笑
    ただ考えてると沼に嵌るので……。内政ものとかやると、全然話進まないんだろうな、って思ったりします。
  • @yutanpo30様
    お楽しみいただき、感謝です!
    仰っている通り、捕虜の問題もありましたし、なにより公国側も一回やらかしてますからね。これ以上つつくと……公国自体もゴタゴタになれば、それこそ帝国側に付け入る隙を与えますから。

    今後も機会があればまた裏話を語れたらなーと思っております。その時はまた、楽しんでいただければ幸いです。
  • こういう裏話……イイッスネ♪(・∀・)イイ‼️
    確かに……オジサンばかりになるから、表(本編)には出せなそうですけどね〜。(苦笑)
  • 想像以上に裏設定で固まっててめっちゃ驚いた笑
    こういうの見るとより作品が面白くなるよね♪
  • 内政の話になると、対立図式を言葉にしたり、文字数増えてだれちゃいますから、カットして良かったと思いますね。
  • @syousyoku様
    ですよね!しかも全然知らないオジサンばかりになるので……誰得やねんってなわけでカットです。
  • 【文月】様
    完璧に…は無理かもしれませんが、やはり裏側があるだけで、人物の動きに説得力が出ますからね。
    各キャラや国の立ち位置を補完出来たのなら幸いです。
  • @natsu1024様
    難しいですよね。なので内政チート物って難しいんだろうな……と思いつつ。私はカットしました。
  • 裏設定が政治の話って……。全く想像してませんでした。
    内政がガタガタになると……国の対応がどうなるか、わからなくなりますね。
  • レイシール様
    何だかんだで、一応戦後ですからね。どの国も地域もピリピリしてると思います。
    政治の話は裏設定くらいがちょうどいいのかもしれません。
  • @mission_quest様
    好きな人には刺さる。かなりの褒め言葉です!
    まあ出版となると…大衆に刺さらねばならないんですが。
  • この作品に限らず、戦闘描写以外で冗長になりそうな舞台背景?を、サクッと省略されるのがとても上手に感じます。

    そのお陰で、物語の進行が早く感じます。

    小説や漫画等、原作あり作品のアニメ脚本とかも出来そう。
  • @tyoshia様

    もったいないお言葉、感謝しかありません。
    だいぶ削っても、ダラダラとしがちな私なだけに、そう言っていただき、本気でホッとしています。
    脚本なんかは、また色々なスキルが必要でしょうし、実際はかなり難しいのでしょうね。
    いつかそんな仕事が出来たら、その時はこのコメントを思い出します!
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