数ある企画の中から、再び(あるいは初めて)見つけてくださり、ありがとうございます。
主催者の私は、日常の何気ない風景を言葉に置き換える楽しさに、すっかり魅了されている初心者です。
前回の「提喩」では、皆様の鋭い観察眼に触れ、まるで顕微鏡で未知の世界を覗き込むようなワクワクする時間を過ごさせていただきました。今回は、視点を少し横にずらして、物事の「隣」にある気配を描く「魔法」をみんなで練習してみたいと思います。
■ 今回のテーマ:換喩(かんゆ)
今回は、ある物事を直接言わずに、それと「深い関係があるもの」に置き換えて表現する「換喩」に挑戦してみませんか?
専門用語では「メトニミー」とも呼ばれます。名前を呼ばなくても、その影や残り香で存在を伝える、とても情緒的な表現方法です。
・例: 「彼はようやく筆を置いた(=執筆をやめた/書き終えた)」
・例: 「あの日から、玄関に二つの足音(=二人での生活)が帰ることはなかった」
・効果: 直接的な言葉を避けることで、読者の心に「余白」が生まれます。描かれていない行間から、深い感情や時間の流れを浮かび上がらせることができます。
「『さよなら』と言わずに、並んだ二つの合鍵を描いてみよう」「『忙しい』と言わずに、積み上がった書類の山を語らせてみよう」など、カメラのフレームをあえて少しずらすような、実験的な気持ちで大丈夫です。
私自身も「この隣にあるものから、どんな物語が匂い立つかな?」と、部室の窓辺で遠くを眺めるような気持ちで投稿します。
■ 補足:「各レトリック」の違い
「これって比喩や提喩とどう違うの?」と迷ったときは、こちらを参考にしてみてください。
と言っても、企画者自身、提喩と換喩、ついでに象徴との違いがまだ掴み切れていないので、難しく考えずに、こんな感じかな?という作品で参加していただければ大丈夫です。
・比喩(第2回): 似ているものに例える(共通点を探す)
・例:「彼女の心は氷(=冷たさ)のようだ」
・提喩(第3回): 一部で全体を、全体で一部を表す(ズームする)
・例:「パン(=食料・生活)を求めて働く」
・換喩(今回): 隣にあるもの、関係の深いものに置き換える(視点をずらす)
・例:「白い服(=看護師さん)が走ってきた」
・象徴(未開催):具体的な「モノ」を通じて、その背後にある「意味」を感じさせる
・例:「白い鳩(=平和)」「バラ(=愛、情熱)」
「今回は直喩ではなく、あえて隣の景色(換喩)で語ってみよう」など、カメラのフレームをあえて少しずらすような、実験的な気持ちで大丈夫です。
私自身も「この隣にあるものから、どんな物語が匂い立つかな?」と、部室の窓辺で遠くを眺めるような気持ちで投稿します。
■ 参加ルール(ゆるく、心地よく)
・形式: 詩、散文、短歌、小説の一部など、形式は自由です。
・内容: 換喩(深い関係がある別のものに置き換えて表現する手法)を意識した作品。
・交流について: 読み合いや感想の強制はありません。「練習作」として置いていくだけで大丈夫です。
・話数について: 主催者の確認時間の都合上、「10話を超える長編作品」については、すべてに目を通すことができない可能性がございます。参加は大歓迎ですが、目を通せなかったらすみません。
■ 主催者より
初心者の方も、ベテランの方も、どうぞ気楽にドアを叩いてください。
「名前を呼ばないことで、より鮮やかに伝わる想いがある」。そんな言葉の不思議を、みんなで机を並べて楽しめたら嬉しいです。
皆様の豊かな感性が描き出す、余韻のある言葉たちを心よりお待ちしております。
参加する小説の設定画面で、自主企画欄にある「【自主企画】カクヨム文芸部 ── お題:換喩(かんゆ)」を選択してください。
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