「ファインダー」を含む小説

スマホで写した写真だと小さくしか写らない。大きく撮りたいのでお爺ちゃんに相談したところ、今は使っていないデジカメをもらった。のぞいたファインダーの中の世界に彼とのつながりを感じる…

　——好きな人に好きと伝えたいから、絵を描いているんだと思う。 　高校二年生になったその日、満開の桜の樹の下でスケッチブックに向かっていた河内凛咲は、入学したての少女・宮古いち…

彼女の些細な言葉が、凜の胸に刺さった。 凜はチクチクと痛む心を引きずって、坂の町尾道を逍遥する。 カメラを構え、被写体をレンズに収める。ずっしりと重い一眼レフが捉えたものは……

「ねえ、コータ。私の裸を撮ってよ。あの女性（ひと）の写真みたいに撮ってほしいの。」 高校二年生の夏、僕は２年前に事故で他界した父の形見のカメラを手に、幼馴染の美少女のヌード写真…

「魚が都会を泳いでいるみたいね」 そう言ったのは、彼女だった。 もう、１年前の話になる。 僕と彼女の１年前の関係は、カメラマンとモデルだったが、 今は恋人同士になっていた…

「ザ・ファインダー」は、卓越した知性を持つが孤独な探偵、フランク・ヒューズの生活を探求する魅力的な小説です。謎を解明する渇望に駆られ、フランクは人間的な絆を欠いている領域の複雑さ…

　スマホのカメラでも、綺麗な写真が撮れる昨今。ネット上は、栄える写真で溢れています。色鮮やかな写真、加工が見事な写真。それらを観るのはとても楽しいですが、「カメラ」で撮った写真も…

高校二年生の夏休み、所属している写真部は箱根に撮影旅行へ出かけることになった。三年生の先輩方はこの旅行をもって引退する。佐良先輩と過ごせる時間は残り少ない。

海が輝く小さな町。カメラと読書好きな水篠湊一は海を横目に自転車を走らせる。そんな中出会う、自信がない東京からの転校生、白瀬羽月。カメラを好きなお互いは徐々に惹かれる。でも彼女の秘…

32歳サラリーマン、趣味はカメラ、人々の行き交う街の写真が特に好きだ。 ある休日、久々に街を写真に収めようと、屋上に上がれるデパートへと私は赴いた。 そこで、私は囚われた。

ファインダーから見える景色は好きだ。 17歳、写真部の撮影でバレー部の練習風景を撮っていた。いや、途中からはあいつだけを追っていた。ファインダーから目が離せなかった。ふと目が合っ…

生涯を終えた猫のテツは天国にきたと思いきや、あの世とこの世の狭間である黄泉街に通じる浜辺にいた。写真館の店主９尾狐人のツムギに、うちの従業員だと言われたテツは、人外や幽霊、物の怪…

チカゲは一人の少女をファインダーにおさめてしまったことで囚われの身となる。 ただ、その少女を捕まえるためだけにとらわれるチカゲ。彼女は一体何者なのか、そして彼女をチカゲは捕まえる…

男が導かれるように入ったカメラ屋で、覗いたフィルムカメラのファインダーに映っていたものとは？ 残せなかった想いが銀板に浮かび上がる。

　俺は雪本尚希。写真部に所属する大学4年生だ。 　高校1年生の時に訪れた女子バスケ部の試合だった。小さい体ながらにチームを引っ張る2年生の桃歌先輩の姿にファインダー越しに恋をし…

「ねぇ、私のこと、好き？」 石和　真（いさわまこと）、高校２年生。 写真部に入りつつ、趣味でも写真を撮っている。 ある日展望デッキから海の写真を撮ろうファインダーを覗くと時が止…

「椿ちゃん、僕と心中してよ」――。 出版社の編集者兼ライターの桐谷椿は、ひょんなことから写真家・夏目翔弥と知り合う。 彼の写真の大ファンだった椿の喜びも束の間、夏目の風景写真は、…

＊スマートフォン向けに最適化を行いました（2022/6/11） １２月２２日〜１２月２６日、短期連載。１２時更新。 ト書きの全く存在しない、全く新しい読み物。 『文字を楽しむ』…

明るく能天気な女子高生・七海とカメラ好きのクールな男子高校生・壮太、さばさばとした孝行娘・アッコに生真面目な優等生・ユウの四人は子供の頃から高校生の今に至るまで四人で常に行動を共…

死体のない殺人にアートされた偽りの金魚草。液晶画面にしか存在しない死臭を辿って盛夏の街を駆ける美夜を呼び寄せた、もうひとつの殺人事件。 空に大輪の花が咲いた夜、この街に潜む狂気の…