「円城塔賞」を含む小説

「貴方の残りの時間はあと１年です」 唐突に余命宣告された大学生の男は、残りの人生をどう使うのか。

昭太郎は、幼馴染の美代子と結婚するのか、出世のため沙織と結婚するのかで葛藤する。昭太郎の心変わりの代償は、意外な形で払わされることになった……

遠い未来の地球で研究者である白川・K・冴理は、いぬみみと尻尾を持つ男性型デミ・ヒューマンの研究をしている。若くして華々しい功績をもつ才媛だ。 そんな冴理を家で待っているのは――……

海外に住む一人の好青年が奈落の底へ落ちていく、その状況を彼から送られてくる手紙の内容で一人の男が恐怖に近いまでの動揺を覚える。そして、手紙の最後、結末とは・・・。

とある街の自転車屋で商品兼店員として働いている木下さん。 小さい頃に消防車になりたいと言う子供はいるが、木下さんは「自転車になりたい」と思って、大人になってそのまま目指した元気者…

3時33分。3階の女子トイレ。左から3番目の扉を3回ノックしたら彼女は現れる。

小学生のと気に感じた、正体不明のザワザワした感情。それに気づいたのは、高校生になってからだった。 進路、やりたい事、創作、幻想 何と絡めば、進めるのだろう？どうすれば良いのだ…

「これからは探偵業だけじゃなく、広告収入で生きていこうと思っていてね。事件の依頼と依頼の間に、試験的に『コマーシャル』を挟んでいるんだ」「言ってる意味が良く分かりませんが……」

シュール

ピアノ科の佳織と声楽科の晴彦は、夏の夜の海にやって来た。満天の星空を見上げて、二人は夏の夜の思い出を作る……

5分間のミステリ。

謎めいたパソコンゲーム『The Water』を購入した『私』は、ゲーム内キャラクターの『アイ』と文字だけの交流を始める。 ゲームの進行に合わせて成長していく彼女に興味を持った『私…

度重なる科学の発展。それはやがて雲という副産物を生み出し、大気汚染によって地球は空の光を失った。 そこで人々は、各主要都市に置かれたAI搭載型空気清浄機に一縷の望みを託して、快適…

和歌を詠む黒猫は、商店街の街猫。 そんな黒猫のちょっとした冒険譚です。

文政三年。歌舞伎役者、三代目・坂東三津五郎（ばんどうみつごろう）は悩んでいた。演目「玉兎（たまうさぎ）」にて、兎、爺、婆、狸の四役の演じ分けをしなければならないからだ。二代目・坂…

この世には、伝説の『つきのいし』というものがあるらしい。ただ、誰もその存在を確認したことがなく、その詳細は未だ謎である。ただ一つ分かっていることは、その伝説の『つきのいし』は道端…

そこに住まう人々は、ある日白い服の人物から脳領域の変更を告げられた。 人々は戸惑いや不安を抱えつつも、その決定を受け入れる。 やがて新しい環境に彼らが慣れきったころ、再び新しい変…

「私、お姉さんと繋がりたいんだ」夢の中のような出来事と残酷な真実が交差する。電極と蒸し暑さだけが私達を繋いでいた。

　サランは〈午睡〉から目覚め、いつも通り記憶の整理をする。 　今回の設定では、自分は〈帝国〉側の人間で、スコルピオ・エキスの買い付けを生業としているようだった。 　その製造工場で…

彼女は稀覯本そのものであり、稀少な本の城に住まう姫のようだった。 最大級の古本市。多くの店が期間限定で立ち並ぶその端の隅のそのまた向こうに、現世からは隔絶されたかのような多くの…