「入らない」を含む小説

KAC2025参加作品。 季節外れのバレンタインのお話

　ファンクラブに初めて入ったのは、日向坂46というアイドルグループだった。 　ライブに行くことが好きだったのだが、これまでファンクラブに入ったことは無かった。ファンクラブに入らず…

我慢、我慢の少年時代。どうしても欲しかった。でも、どうしても手に入らなかった。憧れのゲームの数々。35際になった今、生まれて初めてコントローラーを握る。

KAC2025の参加作です。 テーマは、あこがれ。 私はアイドルをやめます――。

中学校に入って早々、部活になじめなくなったわたしは、部活の時間をつぶすための場所を探していた。でも、お金も広い行動範囲もない中学生に行けるところなんて、たかが知れている。 ある日…

人形師のリヴラとその弟子、ヨル。 人形修繕業務の最中、ヨルは過去の事を思い出した。 ──欲しかったけど手に入らず、オトナになってしまった自分。 口では要らないと言いつつ、心の…

病弱な小学5年生の「斎藤勇樹」は、とても良い子で素直である。しかし、ある言葉が言えないままになってしまった。その事はある女性に「伝わっているよ」と言われ、安心する。小学５年生には…

ルキエラ・イエローゲート――彼女は王位継承順位一位の王女であり、優秀な魔法使い。帝王学をはじめとする数多の学問を修め、さらに美しい容姿まで兼ね備えた完璧な次代の女王である。 しか…

　バレンタインデー。優子は気合を入れて、チョコを渡す準備をしていたのだ。相手はぼっちで冴えない義弟の大輔君だ。長年の付き合いで、恋愛感情を抱いた優子はそれをきっかけに、告白しよう…

「何？　旧リガルド王国の話を聞きたい？」 　酒場の主人は、読んでいた新聞を机に放る。 閉店前の、客がひとりも入らない、伽藍洞の酒場の中で、彼は睨みつけるように虚空を見据える。 …

泥棒に入られた。泥棒は本しかとるものがなかった。私は私を見失い記名することで回復した。

　鈴木《すずき》　陽介《ようすけ》と２歳年上で好きだった中村《なかむら》　千秋《ちあき》は居酒屋でお酒を飲んでいると千秋から「……久しぶりに、一緒にお風呂とか入らない？」と誘われ…

「Take On Me」のショートストーリーです。 　次のお話しを書いている段階で、ふと思いついたお話しの短編です。思いついたら、なので不定期ですが…。 　本編に入らなかったお話…

大学生の白峰百合花はその日怒っていた。 自分のストーカーである双子たちがサークルの部屋に盗聴器を仕掛けていたからである。 特に事件があるわけでもない、会話をしているだけの話です。…

世はキャッシュレス決済時代。 スマホやカードひとつでスマートに買い物ができる、小銭入らずの財布メーカー泣かせのあんちくしょう。 飢えと渇きを満たすために訪れた、欲望の渦巻く眠ら…

「お前は追放だ、役に立たねえやつ入らねぇ」 と言われたファムは、勇者チームから脱退させられた。でも実はファムは勇者チームの監視役兼用心棒だった！ 面倒なことが無くなったファムは今…

主人公は30代の平凡な会社員、柊真（しゅうま）。長年付き合っていた恋人、美咲（みさき）から突然の別れを告げられる。別れの理由は「お互いを縛りすぎている」と言われたが、柊真には納得…

エロゲRPGの街を紹介するモブNPCの幼少期に転生してしまった主人公。さすがに、転生先が弱すぎると落胆しそうになる主人公だったが、ステータスを確認したとき、その考えが大きく変わる…

学校のプールに入らず、ただじっと水面を見つめる女子高生、源ツキミはそこにうつる海月を観察していた。他の人には見えていないようで、その正体が何かを突き止めようとする。

【短編です】アグニスの前世は魔王。力を維持したまま転生した今世、彼は奴隷になった。何故なら、権力を持つと面倒なので。アグニスは自身の主人を操……うまく誘導し、王国の守護者としたて…