特集
変という字は、恋に似ている。恋の亦は「糸言糸」の略、「いとしいとしで(糸糸)いう(言)こころ(心)」と都々逸でも歌われる。恋は言葉の糸で心を縛ること。変の攵は手に持った棒で、言葉の糸を揺らすこと。言葉の力で心を縛るのが恋、心を動かすのが変。どちらも恋愛に通じる文字です。そして世間ではもうすぐバレンタインデーということもあり、今回はちょっと奇妙な恋の話「ストレンジラブ」特集をお送りします。形は変でも愛の形は様々。創作も恋も自分らしさを相手に伝えるという点で一緒です。作品に込めた作者の愛を皆様のハートに届けられたら幸いです。ところでどなたか私にも愛を届けてくれる方はいませんかいませんかそうですか。
凛々しい顔立ちにスリムで高身長な女子高生・御神苗優輝と、美少女と見紛う美貌の留学生・日番谷・シイナ・ラインスタインのボーイミーツガール。イケメン女子と女装男子の性別逆転ラブコメです。
優輝は全校女子が憧れる王子様。文武両道で見た目も性格もイケメンな彼女ですが、可愛いものが好きで少女漫画のような恋愛に憧れているなど、女の子らしい一面がギャップ萌えです。
一方、シイナは明るくて人懐っこく庇護欲をそそる優輝の思い描く女の子の理想像ですが、女装趣味のオタク男子という、これまたキャラの濃い男の娘なのがツボです。
見た目の事もあってシイナに妙に懐かれてしまい、イケメン過ぎるのが祟って恋愛経験ゼロの優輝はいつも胸をときめかせてしまって、振り回されるうちに惹かれていく乙女心がいじらしくて身悶えしてしまう。ああ、尊い!
ジェンダーレスが叫ばれる昨今、こんな素晴らしい純愛を変と思っては間違いかもしれません。
(「ストレンジラブ」/文=愛咲優詩)
バードウォッチングが趣味な田舎の女子高校生・田浜ななが、ある日、動物避けネットに絡まった野鳥を助けたことから始まる、人間に変身したイケメン鳥類男子たちとの恩返しラブコメディです。
律儀で大人びているがうっかり者のトキ。
やんちゃ小僧だけど手先が器用なカラス。
小さくて可愛い寂しがり屋なカワセミ。
野鳥の魅力もイケメンに置き換えてみると、「なるほど!」と頷けます。
ななから受けた恩返しのつもりでも、人間の常識を知らない彼らは、騒動を起こしたり、迷惑をかけたりと、毎回ドタバタ満載で飽きさせません。
それでも追い出したり、嫌ったりしない、ななの鳥への愛情が伝わってきて微笑ましくなります。
トキやカワセミが綺麗なのはわかるけど、カラスなんてゴミ袋を荒らす厄介者じゃん!と思うでしょうが、実は種類も豊富で奥深い生態や、黒い羽毛には隠された秘密があってと、知らないことだらけ。
マニアックすぎて伝わらない野鳥雑学や野鳥ジョークの掛け合いもクスリと笑えます。
普段、見過ごしていたスズメやハトも、これを読めば魅力的な美少年にみえてくるかも?
(「ストレンジラブ」/文=愛咲優詩)
巨大な腐った林檎に100匹のミミズのような触手が絡み、体内には6個の謎の球体が浮かび、絶えず異臭を放っている。
そんな不気味な軟体生物に異世界転生した哀れな男がこの物語の主人公です。
まともに喋ることも出来ず、森のなかでモンスターに襲われ、人里に出れば化け物と騒がれて追い払われる。孤独な日々を過ごしていた彼に転機が訪れます。
ある日、村外れに住む盲目の少女ミーナと出会い、恋をする。
そして彼は決意する。「この子のストーカーになろう」と。
(注意:この話の主人公はロリコンで変態で童貞です)
「ドゥティ」と名付けられた主人公は、ミーナのためにモンスターを狩ったり、木の実を届けたり、話し相手や遊び相手になったり、お互いに孤独だった怪物と少女の素朴な交流が心温まり、目頭が熱くなります。でも、変態なんだよなぁ……。
村の人々から虐待を受けていたミーナを連れ出し、二人の冒険の旅が始まります。
目が見えないから好きになったのか。自分より可哀想だったから好きになったのか。恋に懊悩する怪物が見どころです。
この際、ロリコンでもいいから、ミーナちゃんを幸せにしてやってくれ!
(「ストレンジラブ」/文=愛咲優詩)