アリスのキャラクター造形がとにかく生き生きしていて、読んでいて飽きませんでした✨ 気高く復讐に燃えるボスの顔と、ジョンへの片思いで空回りするあざとい一面のギャップが絶妙で、特に「メンタル絶好調のアリスよ」の三段オチと、決闘挑戦のサプライズが会場の沈黙で見事に不発するくだりは笑ってしまいました😂
でもその軽妙さの裏に、妖精種と原種の血みどろの歴史、母と父を失った喪失、復讐と使命の間で揺れる少女の心情がしっかり描かれていて、緩急のバランスが心地よかったです。ナルメア先生の掴めない距離感も魅力的で、天使種という存在の底知れなさが物語に深みを与えていました🌙
ジョンが「アリスを使い捨てにしたくない」と本音を明かす場面、恋愛的な軽さの裏にちゃんと知略と誠実さが見える構成になっていて、彼への信頼が読者にも伝わってきます。ルーナの正体が明かされる場面の緊張感も良いアクセントでした🐾
民族対立という重いテーマを扱いながら、コミカルな会話劇で読ませる筆致がとても達者だと思います!
可憐な妖精種の少女アリスの視点を通して描かれる、故郷を追われた民族の悲劇と、逃亡の果てに築かれた新たな秩序。叙情的な回想と、これからはじまる学園生活への予感が交錯する、密度の高いプロローグ、
「東の野蛮な原種」という未知の脅威によって、歌と楽器の平穏な日々が「血の通わない」政治の世界へと変貌していく過程が、アリスの瞳を通して切なく描かれています。
かつては村の有力者だった父が、西への逃避行の中で略奪すら厭わぬ「血の通わない男」へと変貌していく悲哀。
アリスを学院へ送る判断が、彼女を汚れ仕事から遠ざけたい慈愛なのか、あるいは駒としての教育なのか。
父娘の埋まらない距離感が物語に深みを与えています。