第9話 南海前進基地
― フィリピンに日本海軍基地を築く ―
南海回廊は完成しつつあった。
琉球、釜山、長崎。
だが外洋国家として安定するには、
もう一つの拠点が必要だった。
南洋の中心。
ルソン。
情勢の分析
当時のフィリピンは
スペインの影響下。
マニラはガレオン貿易の拠点。
アメリカ大陸とアジアを結ぶ要衝。
信長は判断する。
「ここを押さえれば、南海を制す。」
だが全面戦争は避ける。
限定介入
まずは通商保護を名目に艦隊を派遣。
海賊鎮圧を口実に沿岸へ展開。
現地豪族と接触。
スペインの統治はまだ薄い。
現地勢力は自立性が高い。
日本は武力で征服せず、
「保護条約」を締結。
軍港建設
商館設置
治安維持の協力
スペインは抗議するが、
オランダとの対立で余力がない。
オランダとの同盟が抑止となる。
日本海軍基地
マニラ湾近郊に要塞建設。
砲台と造船所。
外洋航路の補給基地。
釜山―長崎―ルソン。
三点を結ぶ戦略線。
日本艦隊は太平洋へ直接進出可能に。
統治の形
フィリピン全土を併合はしない。
沿岸部の軍事拠点と交易港のみ直轄。
内陸は現地王侯に委ねる。
形式は「保護領」。
実質は日本の前進基地。
征服ではなく拠点主義。
五、国際的波紋
明は距離を置く。
スペインは警戒。
だが全面衝突は起きない。
日本は拡張を限定し、
補給線を守る。
信長は理解している。
広げすぎれば崩れる。
家臣団の評価
秀吉は野心を隠せない。
「殿、いずれ大陸も。」
信長は制す。
「港で足りる。」
徳川家康は静かに分析。
この政策は国家財政を圧迫しない。
拠点で押さえる。
海洋帝国の輪郭
日本は列島国家から、
釜山(大陸前線)
琉球(南西回廊)
ルソン(南洋前進基地)
を持つ多拠点国家へ。
海軍は外洋型。
交易は太平洋を横断。
日本は欧州列強と並び、
海上勢力の一角を占める。
本能寺で終わらなかった覇王は、
ついに太平洋へ旗を立てた。
天下布武は、
いまや海を越え、
大洋国家への道を歩み始めている。
本能寺の変で織田信長が討ち死にしなかったら ― もう一つの天下布武 ― 長編小説構想 真田直樹 @yukimura1966
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