第39話



不思議そうにするわたしに志摩くんは笑って教えてくれた。



「元カノが、なんつーの?心みたいな、生理痛酷かったから。そん時にしったっつうか、教え込まれたっつーか…」



元カノ……、



志摩くんの口から出た言葉に、その子のことを想像した。



私なんかにまで優しい志摩くんは……、彼女という存在だったその子にはきっとどこまでも優しくしていたのだろう、と。



そんな考えが浮かんで、気にしないようにわたしは慌てて言った。



「あ…ごめん、お金…、教室…。後でもいいかな」


お茶を受け取りながら聞くと、彼はまた子供のように口端をあげた。



「いらねーし。」


「……でも、」


「マジで気にしいだな。いいよ、この前のスマホ代って事にしといて」



この前の、スマホ……。

わたしが気にしないように、そう言ってくれてるのだとわかり。



「……あり、がとう……」


ぎこちなくお礼を言って、お茶をひと口飲むと、体が中から温まり……。





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る