テレビ出演多数のインテリネギ農家、そして同時にWEB小説の作家でもある夢神蒼茫さんの最新作は、三国志を扱った歴史IFものです。
吉川三国志でも、横山三国志でも、「他に人材がいないからって、好き放題威張り散らしてる人」のイメージがある、猛将魏延を主人公に抜擢し、そして彼が実は忠義に厚い憂国の士であった、という想定で物語が進められています。
いわゆる「秋風五丈原」から名場面「俺を切れるものがいるか!」までの短い期間の出来事が、将たちのぶつかり合いや葛藤とともに描かれています。
5万字と、少し量がありますが、極めて読みやすい文体で、サクサクと読み進めることができ、孔明が仕掛けたトリックなども分かりやすく、最後まで息もつかせず一気に読ませるのはさすがです。
三国志での書かれ方がアレなので、悪役として扱われている魏延ですが、あれほど重責を担って活躍していたのですから、ただの傲岸な男というはずはなく、もっと多面性があったのは間違いないでしょう。
本作は、そんな損な役回りだった魏延に、新しい側面から光をあて、再構成したもので、「なるほど、そういうこともあったかもしれないな」と、認識を改める機会となりました。
三国志好きならば必ず面白いと思います。
これはお勧めです。