第1章−ヒーローが3系統いる世界−

第1話:巻き込まれの始まり

佐藤太郎は、戦いの中心で呆然と立ち尽くしていた。


さっきまで避難しようとしていたはずが、チームヒーローのピンクに手を引かれ、仮面変身ヒーローのバイクに押し込まれ、魔法少女戦士のイエローに「大丈夫?」と心配される始末。


怪人は3系統の必殺技がようやく連携して倒されたけど、街は瓦礫だらけ。


夕方のニュースで「ヒーローたちの活躍で平和が守られた!」なんて報じられるんだろうけど、太郎の心境は「平和じゃねぇよ、これ」だった。


「えっと…俺、ただの一般人なんですけど。帰っていいですか?」


太郎がぼそっとつぶやくと、チームヒーローの赤(リーダーのファイヤー)が胸を張って答えた。


「いやいや、君は重要な目撃者だ! 怪人の残党がいるかもしれない。協力してくれ!」


仮面変身ヒーロー(名前はシャドウらしい)がマスクの下から冷たく睨む。


「…ふん。巻き込むなよ。一般人を。だが、確かに怪しい動きがあった。お前、何か知ってるか?」


魔法少女のリーダー(ラブリー・ハート)が目をキラキラさせて手を振る。


「そうだよ! みんなで協力しよう♡ 私たち、友情の絆でどんな敵も倒すんだから!」


太郎は内心でツッコミを連発。


「協力? お前らさっきまで喧嘩してたじゃん。怪人逃げそうになってたし。」


でも口に出すのは怖い。


仕方なく頷くと、3系統のヒーローたちは太郎を連れて、街はずれの廃倉庫へ移動した。


そこが臨時の「合同作戦本部」らしい。


悪の組織が「3系統同時攻撃」を計画してるって噂で、今日の怪人もその一端だったとか。


倉庫の中はカオス。


チームヒーローのグリーンが地図を広げて説明中。


「敵の拠点はここだ。巨大ロボで一気に攻め込むぞ!」


シャドウが腕を組んで反論。


「馬鹿か。単独潜入でボスを倒すのが効率的だ。チームワークなんて邪魔。」


ラブリーがぷんぷん。


「えー、みんなで手を繋いで浄化しようよ! 友情パワーが大事!」


太郎は隅っこで座らされ、飲み物を渡される。ピンクが笑顔で。


「お兄さん、紅茶どうぞ♡ 作戦の補佐、お願いね!」


「補佐って…俺、何すりゃいいの?」


ファイヤーが熱く語る。


「君の視点が大事だ! 一般市民として、ヒーローの戦いがどう見えるか。アドバイスしてくれ!」


太郎はため息。


「正直、うるさいです。名乗りで爆発すんのやめてほしい。ガラス代、誰が出すと思ってんの?」


一同が沈黙。


グリーンがメモを取る。


「…なるほど。市民目線か。参考になるな。」


シャドウがクールに。


「ふん、軟弱者め。」


ラブリーが太郎の肩を叩く。


「でもお兄さん、ヒーローみたいにカッコいいよ! 変身ポーズ、一緒に練習しよ♡」


太郎の顔が引きつる。


「俺、男だし…無理。」


作戦会議は進むけど、3系統の意見がバラバラで全然まとまらない。


ファイヤーが「ロボ合体で正面突破!」と言えば、シャドウが「バイクで奇襲だ」と返す。


ラブリーは「みんなで歌いながら浄化♡」と提案。


太郎はただ聞いているだけなのに、どんどん巻き込まれる。


突然、倉庫の扉が開いて、悪の組織のスパイ(小さいロボットみたいなやつ)が侵入。


「ふはは、作戦を盗み聞きに来たぜ!」


パニック。ファイヤーが叫ぶ。


「みんな、戦闘態勢!」


シャドウが即座にキック。


「…邪魔者。」


ラブリーが杖を構え。


「浄化するよ!」


でも狭い倉庫内で3系統が同時に動くと、大惨事。ロボの腕がスパイに当たるはずが、シャドウのバイクにぶつかり、ラブリーの光線が跳ね返って太郎の足元を焦がす。


「うわっ! 熱っ! お前ら、連携取れよ!」


太郎が思わず叫ぶと、スパイが笑う。


「内部抗争か。楽勝だぜ!」


ファイヤーが慌てて。


「太郎君、アドバイスを!」


太郎は即答。


「チームはロボ小さくして、シャドウの奇襲を援護。ラブリーは後方から浄化サポート。名乗りとかポーズは後で!」


意外と的確。


ヒーローたちが従うと、スパイはあっさり捕獲。ファイヤーが感激。


「君、天才だ! 一般人視点、最高!」


シャドウが珍しく頷く。


「…悪くない。」


ラブリーがハグしようとする。


「お兄さん、友情パワー感じた♡」


太郎は逃げ腰。


「いや、ただのツッコミですよ…。」


スパイから情報を引き出すと、悪の組織の本拠地が判明。


作戦は本格化するけど、太郎は「帰りたい」と思いつつ、なぜか「臨時サポートメンバー」に任命される。


「俺の日常、返せよ…。」


会議の後、太郎はようやく解放されたけど、ヒーローたちに連絡先を交換させられる。


ファイヤーが熱く。


「また頼むぞ、太郎! 君がいれば、3系統の連携が完璧になる!」


シャドウが去り際に。


「…次は邪魔するなよ。」

(でも少し感謝の目)


ラブリーが手を振る。

「また一緒にポーズ練習しよ♡ バイバイ!」


家に帰った太郎はベッドに倒れ込む。


スマホにニュース通知。


「ヒーロー3系統の活躍でスパイ捕獲!」

コメント欄は「カッコいい!」

「でも街の被害デカいわ」

「3つもいる必要ある?」


太郎は独り言。


「正直、要らなくない? でも…少し面白かったかも。」


翌朝、学校に行く途中、また怪人の気配。


太郎のスマホにファイヤーからメッセージ。


「太郎君、助けて!」


「マジかよ…。もう巻き込まれ体質?」


こうして、太郎のドタバタなヒーローサポート生活が本格的に始まった。


悪の組織の陰謀が深まる中、彼のツッコミが世界を変える鍵になるなんて、この時はまだ知る由もなかった。

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