第11話:いつもの、平和? な一日

佐藤太郎は、朝の通学路でいつものようにため息をついていた。

制服のポケットにスマホを突っ込み、耳にイヤホンを入れてニチアサの旧作を聞き流す。


昨日の本拠地ツアーのプレッシャーがまだ残っているけど、今日は特に怪人情報もない。


「やっと普通の朝だ…。学校行って、帰って、寝るだけ。ヒーローなんて関係ない。」


ところが、信号待ちの交差点で地面が小さく揺れた。


「ピピピッ! 怪人警報レベル低! 小型スライム怪人出現!」


街路樹の陰から、ぬるぬるした緑色のスライムが這い出てきた。大きさはゴミ箱くらい。


ダークシェイド帝国の低級怪人らしい。


太郎が目を細める。


「…マジかよ。朝から? しかも小さいじゃん。」


そこへ5色の光が降り立った。

チームヒーロー、爆発レンジャー全員だ。


ファイヤーが胸を張って叫ぶ。


「我ら爆発レンジャー!

         赤の熱血ファイヤー!」

イエロー「黄の元気イエロー!」

クール「青の冷静クール!」

グリーン「緑の知性グリーン!」

ピンク「ピンクの可愛いピンク!」


5回の爆発エフェクトが連続でドカーン! 朝の通勤ラッシュのサラリーマンが一斉に耳を塞ぐ。


太郎のツッコミ独白。


「朝の通学路で名乗り爆発すんなよ…。近所の人が通報するぞ。」


ファイヤーが熱く拳を振り上げる。

「みんな、チームワークで一掃だ!」


クールが冷静に。

「弱点は核の中心。効率的に。」


イエローが元気に飛び跳ね。

「黄のエナジースプラッシュー!」


スライムが一撃で溶けて消滅。


ピンクが可愛く手を振る。

「お兄さん、危ないところだったね♡」


太郎はため息。


「危なくねぇよ。俺、ただ立ってただけだ。朝からフルメンバー出動とか過剰だろ…。」


ファイヤーが笑いながら去り際に。


「太郎君、今日も学校でがんばれよ! 何かあったら連絡な!」


太郎はぼやきながら歩き出す。


「連絡すんなよ…。これがいつもの朝か。」


学校に着くと、教室はいつもよりざわついていた。田中がスマホを見せながら興奮気味。


「太郎! 朝のニュース見た? チームヒーローがスライム倒したって! お前、近くにいなかった?」


太郎は席に座りながら苦笑い。


「…近くにいたよ。爆発で耳鳴りしたわ。」


授業が始まって10分くらい経った頃、突然教室の窓がキラキラ光った。


「みんなー! こんにちは♡」


魔法少女戦士の3人が窓から飛び込んでくる。

ラブリー・ハートが杖を振り回し、フレンド・ブルーとドリーム・イエローが後ろに続く。


ラブリーが目をキラキラさせて。


「学校のみんなの笑顔を守るよ! 今日は友情パワー特別授業♡」


先生が慌てる。


「え、えっと…ヒーローさん? 授業中なんですが…」


ラブリーが無視してクラス全員にハートマーク飛ばす。


「みんな、手を繋いで! 友情の絆でテスト勉強も楽しくなるよ!」


クラスメイトが大喜び。


「わー! ラブリーちゃん可愛い!」


「魔法少女が学校に来た!」


田中が太郎に肘で突く。


「お前、知り合いだろ? 紹介してくれよ!」


太郎は机に突っ伏しながら。


「知り合いじゃねぇよ…巻き込まれてるだけ。」


ラブリーが太郎に駆け寄り、ハグしようとする。


「お兄さんも一緒に♡ 友情パワー注入!」


ドリーム・イエローが元気に黒板にハートを描き、フレンド・ブルーが「…ちょっと待って、授業邪魔してるよ」と小声でツッコミ。


結局、20分間「友情勉強会」が開催され、テスト範囲がキラキラ光る魔法で「覚えやすくなった!」とクラスが大はしゃぎ。


先生は疲れ果てて「…今日は自習にします」。


太郎の内心:「これがいつもの学校かよ。正直、魔法少女の友情パワーより普通の授業が恋しい…。」


放課後、太郎はいつものように帰宅途中に河川敷で座っていた。

今日も怪人なし、悪の組織も静か。スマホでニュースを見ていると、バイクのエンジン音が近づいてきた。


シャドウがマスク姿で停まり、クールに一言。


「…お前、今日も無事か。」


太郎が驚いて立ち上がる。


「シャドウ!? 珍しいな、単独で声かけてくるなんて。」


するとすぐ後ろからキラキラ光。

ラブリーたちが登場。


「お兄さん、見つけた♡」


さらにチームヒーローのバンが到着。

ファイヤーが熱く手を振る。


「太郎君! 今日の報告会だぜ!」


結局、河川敷が即席合同ミーティング会場に。


ファイヤー「今日のスライム、5人で倒したぞ! でもなんか物足りなくて…」


シャドウ「…俺は最初から単独で十分だった。」


ラブリー「みんなで浄化しようよ♡」


3系統がまた小競り合いを始める中、太郎はベンチに座ってぼやく。


「今日も結局集まってるじゃん…。朝から学校まで、ヒーロー3系統のドタバタに巻き込まれてる俺の1日って、これが普通なんだよな。」


ファイヤーが笑いながら紅茶を渡す。


「まあ、太郎君がいると安心だぜ!」


ラブリーがハグ。「友情パワー♡」


シャドウが去り際に「……ふん。」


太郎は家に帰りながら、いつもの独り言。


「正直、この世界、ヒーロー3系統多すぎだろ。要らなくない? …でも、ないと寂しいのもわかる気がしてきた。今日もカオスな1日だったな。」


夕陽が沈む中、太郎のスマホに次の日の予告通知が来る。


「明日もよろしく!」


これが、佐藤太郎のいつもの、賑やかで平和? な一日だった。

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