誕生日の小さな願い

2月16日

今夜の夕食は、いつもより少しだけ豪華でした。テーブルいっぱいに、私の好きな料理が並んでいて、小さな食卓を囲みながら、家族みんなで賑やかに新しい年を迎えました。


食事のあと、兄さまと一緒に外へ出ました。私たちは、子どもの頃によく乗っていたあの大きな自転車にまたがりました。何度も交換された車輪と、フレームに貼られたままの古いステッカー。少し埃をかぶっているけれど、それもどこか懐かしくて。


私は昔と同じように後ろに横座りして、ぎゅっと兄さまに抱きつきました。風が耳元をかすめ、夜空にはときどき鮮やかな花火が咲きました。風は少し冷たかったけれど、私が触れているところだけは、やさしく温かくて。


家に帰ると、二人でケーキを分け合いました。クリームが頬についてしまって、思わず笑ってしまうほど。空気までふんわり甘くなったようでした。こうして一人で思い返している今も、胸の奥はまだぽかぽかしています。


兄さまからもらった小さな箱を開けると、中にはネックレスとチョコレートが入っていました。そっと一粒口に運ぶと、少しだけ苦くて、でもあとからやさしい甘さが広がっていきました。


誕生日の願いごと——


どうか、兄さまの心の中に、私だけの特別な場所が、これからもずっとありますように。


チョコレートを食べたら、もう寝よう。虫歯にならないようにしないと。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る