概要

​打算で隣に置いた泥ザルが、性別すら欺き独占したい唯一の酸素になる。
​「吐き気がする――。どいつもこいつも、呼吸をすることすら躊躇わせる」
​住菱財閥の次期当主・住菱伊織。
容姿端麗、頭脳明晰。しかしその本性は、令嬢たちが塗りたくる「甘ったるいハンドクリームの匂い」に絶望する、極度の潔癖症であった。
​そんな彼の完璧な箱庭に、泥を撒き散らしながら乱入してきたのは、住み込み庭師の娘・雀(すずめ)。
お日様の熱と湿った土の匂いをまとう彼女を、当初、伊織は心底嫌悪し、拒絶する。
​だが、彼は気づいてしまった。
泥だらけの彼女が隣にいれば、あの鬱陶しい連中が寄り付かないことに。
「僕の静寂を守る案山子(かかし)になれ」
伊織は打算100%の冷徹な計算で、彼女を自分の「特等席」に繋ぎ止める。
​一方、雀は伊織の冷酷さを「寂しがり屋な王子様の、不器用な照れ隠し」と盛大に…続きを読む
  • 連載中4
  • 9,494文字
  • 更新
  • @meikoo
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