第58話 僕たちさ、いい友達になれると思わない?

「なんでオイラを助けるんだよ。」


「けっこう大きく破けてるなぁ。端切れで裏を押さえてっと。」


「おい、無視するなよ。」


セリフの内容ほどトビーの声は大きくない。年相応の少女のそれである。


「ねぇ、トビーって本名じゃないんでしょ?」


「なんだようるさいな。」


「聞きたいなぁ~っと。」


「なんでもいいだろ!?」


「よくないでーす。」


少し逡巡し、トビーは小さな声で答えた。


「・・・男の名前じゃないと舐められるんだよ。」


「ふーん。それで?本当の名前は?」


「・・・・」


トビーは毛布を頭からかぶり耳を隠す。

そのしぐさを横目で見ながら、再びブルーが口を開く。


「僕たちさ、いい友達になれると思わない?」


「ともだち? なんだよそれ。」


意表をつかれ、少し驚いた顔でブルーを見上げる。


「僕、ずっと一人っ子で育ったし、館から出たことなかったから。友達いないんだ。」


「ともだち・・・今までそんな余裕なかったよ。」


目を伏せるトビー。ブルーは無言でチクチク縫い続ける。

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