島を守るために、海を守るために旅立つ彼。
そして、それを見送る私。
本作は、船で旅立つ彼と、夜勤へと向かう「私」の静かで切ない別れを、海辺の情景とともに繊細に描いた短編小説です。
最大の魅力は、潮の匂いや金属の匂い、そして橋の上の風といった情景描写が、言葉数の少ない二人の不器用な愛情と切なさを痛いほどに伝えてくるところです!
「夜勤、間に合う?」という短い会話だけで互いを思いやり、振り返らずに別れを受け入れる二人の姿が、静かな余韻となって心に深く残ります。
水平線の向こうへ消えていく船と、残された橋の上の「私」。
多くを語らない純文学のような美しい文章で、
大切な人との別れを静かに見つめたい方に、ぜひおすすめしたい作品です。