生きろ、と命じられた人間が生きるために戦う。
自分と、敵対者の命を金にする。その方法を、自然と選んでしまう。
5メートルを超えるロボットによる戦闘は、人間にとっては常に死が付きまとう。
生きるために戦う。生存のために死に近づく。それは矛盾であるが生命にとって逃げられない宿命である。
主人公が立つ世界は、傭兵と言うそのジレンマの極地である。
彼もまた感情がなく、そのドライな世界を淡々と生きていく――のだが
彼に生きろと命じた人や、彼に手を差し伸べた人。
乾いていても飢えてはいない。
地獄であっても情はある。
同時に、悪意もある。
それもひっくるめて、アライブである。
ロボットと言う鉄の器による破壊と、負と正の感情が入り乱れる世界。
その世界を体験しよう
全滅寸前の戦場から始まる、重厚なSF戦記。
ムーバブル・ギアの戦闘描写は迫力十分で、一気に引き込まれる。
本作の核は、感情と記憶を失った主人公イズマの存在。
「命令に従う」ことしかできない彼と、夢や願いを語る仲間たちとの対比が非常に印象的だ。
特に、ロイ隊長が任務放棄を決断し「生きろ」と命じる場面で、
物語は“戦争”から“生き方”へと大きく舵を切る。
それでもなお意味を理解できないイズマのズレが、物語に強いフックを生んでいる。
この先、彼が“自分の意思”を持つのかどうか――
続きを読みたくなる導入として、非常に完成度が高い一話。