自分は、野外で見る分には大して不快感を覚えないんですよ。
自然ではそこいら中にいるのが当たり前ですからね、虫。
ただ、それが自室となると話が別です。
ここは自身のプライベートな空間、絶対の安心と安全を保障されてしかるべき場所……そんな空間に、意思疎通ができない生き物が存在する!
これは、見た目が不快だから視界からいなくなればいい、何て簡単な問題じゃありません。
いなくなったらいなくなったで、室内のどこかに隠れているかもしれないわけで、こちらが気が抜いた隙にまた姿を現すかもしれないわけです。
つまり、自らの手で殺すか追い出すかして結末を見届けなければ、それまで心休まることがない!
そんな疑心暗鬼を生み出したのは、寄りにもよって有毒害虫のムカデです。
しかも、わざわざタイトルに書くくらいには「デカい」!
明確に危ない奴です。
連中、見た目のフォルムはまあまあかっこいい寄りではあるものの、足がいっぱいあるので嫌いな人はとことん嫌いだという人も多いでしょうね。
あと、虫特有の何考えているのか予想がつかない動きをするので、それはそれは厄介なんですよね。
そして好戦的な性格をしているので、下手したら噛まれてしまうかもしれない。
そんなのが室内に潜伏だなんて、ホントに勘弁してくれよぉ!
信じていた平穏が一瞬に消え去り、心休まらない空間となってしまった不安感、そして自分が何とかするしかないという絶望的状況……まさにパニックホラーの神髄です。
霊的な存在ではないものの、ある意味対処できる存在だからこそ感じる生々しい恐怖感が新鮮でした。
是非とも殺虫スプレーを片手にお楽しみください。
誰にとっても身近な恐怖、それが本作では描かれています。
この作品の主人公大学を卒業して上京し、一人暮らしをすることになったのですが、ある日、主人公の住んでいる部屋にムカデが出現してしまいます。
虫が大嫌いな主人公は、恐怖しながらも、ムカデを始末しようとする……という内容です。
虫はほんと厄介ですよね。どこかに隠れてしまいますもんね、あいつら。
本作は、実際に体験したことをそのまま書いたのかな、と感じるくらい、虫の行動がリアルで丁寧に描写されているので、身近な恐怖を感じさせられました。
私は虫は好きではないものの、そこまで苦手ではないのでまだいいですが、虫嫌いの人が読んだらこの作品はめちゃくちゃ怖いんじゃないかと思います。
秀逸な短編ホラーを読みたい、そういう方に大変おすすめの作品です。
「恐怖」とは、いつだって日常のすぐそばに存在しているものである。
ただ気づかないでいるだけで、ふと「何か」が視界に入ってしまった瞬間に、当たり前だと思っていた毎日は一挙に崩壊してしまう。
なぜ、今まで平気でいられたのだろう? どうすれば、こんな事態になることを防ぎ得た? 避ける術はなかったか。これは不可避の事態だったか。
そんな不安と戦慄を一挙に感じさせられる事態。
できることは、「目の前の脅威を素早く排除する」ことのみ。
穏やかな眠り。静かな暗闇の中で過ごす時間。人が心を健康に保つためには、そんな安らぎが必要になる。
だが、「隣り合った恐怖」が侵食してくることにより、それらが全て奪われてしまう。
本作には、そんな「恐怖の対象」に日常を侵食された主人公の心の推移がとてもリアルに活写されています。
あなたにも、覚えがあるに違いない。読めば間違いなく、ゾワゾワと来る不安と緊張を思い出させられるに違いない。
もしかしたら「彼ら」は今もあなたの傍にいるかもしれない。ほら、すぐ後ろにも……
はっ、はっ……いぃや、なんて恐ろしいお話でしょう……!
部屋には「私」一人しかいません。
なにせ長野から遥々東京へやってきたのです。親類、知り合いはみんな地元にいる。
だから、そのアパートには「私」一人しかいない。
なのに「私」は見つけてしまうのです。「私」以外の「生命体」を……。
家に一人……これがクリスマスの家族旅行においていかれてしまったケビン少年だとかいうのなら──そして見つける「生命体」が間抜けな盗っ人だというのなら──安心して見ていられますが、こちらのお話はそうじゃありません。
「私」は少年ではなく、見つける「生命体」は、「私」にとっての天敵といっても過言でない存在。
果たして──
真夜中の大事件の着地点……ぜひ見届けてください。
そして主人公を助けられる方は、すぐに助けてあげてください。