本作は元テニスマンである小田島匠氏の視線が織り交ぜられた古き良きスポ根ドラマに令和のチート級主人公物語の要素が入ったラブコメである。
そう言ってしまえば、「何だ、よくある話じゃないか」と片付ける方もいらっしゃるであろう。
まあ、ここお座んなさい。
先ず、第一に登場人物に地に根の生えた魅力というものが存在しています。
主人公である奈良裕、なら・ゆう。一九〇センチ級の長身にサウスポーから繰出す強烈なサーブの化物のような逸材、でも所属高校が弱小。これが勿体無い。
そこに現るのがヒロインである吉崎杏佳、きょうかちゃん。彼女も女子テニスの元スーパー選手。W大の法学部の学生さん。
脇を固める面々も良いんですよ。敵(ライバルかな)ながら真司もカッコよくて、雄介も良いキャラしているんですよね。ホント。
流石、小田島氏のテニス選手としての知識から並みのスポーツものとは一線を画した説得力があります。
今作はそれらを改稿して、より解り易いラブコメに仕立て上げていますが、それでも巧いものです。
チート級主人公でありながら、学び恋をして成長していく。
私自身、ここで「『のたり松太郎』っぽいような……」とも思ったのですが、坂口松太郎ほど裕くんは破綻しておりません。
規格外の主人公が嵐を呼んで周囲を吹き飛ばしていく、という点はそうかも知れませんね。
ちょっと、いやけっこう大人向けなシーンもあるのでよいこはちゅういしてね!
でも、それも何処か昭和のラブコメっぽくあるんですよね。
全面的な勝利を描くのではないんですよね、負けてそこから成長していく。裕が階段を上るように強くなっていく誠実なスポ根です。
愛すべき魅力が詰まった素晴らしい作品です。
インハイ出場者・杏佳の視点から始まる物語が、没入感アリです!
女性プレイヤー目線で、主人公・奈良裕の試合を観察していく形。
奈良裕は、"伝説級の昭和ラケット"を使い、シャツをインした短パン。
そんなダサい装備。(なお、長身イ〇メン)
でもテニスやってると「こういう変なこだわりの人いたな……」とか、
格好も含め、 妙に納得できる違和感があります(笑)
プレイスタイルも今どきと違って、
"昭和のサーブ&ボレーの亡霊"みたいな感じ。
理屈では弱そうなのに、サーブだけで試合をぶっ壊していく。
杏佳の視点がいい感じで、ただの観客じゃなくて「ちゃんとわかる側」なのがいいです。
その分、奈良裕の異常さが少しずつ見えてくるのも面白いところ。
テニス描写は緻密な部分もありますが、
構図やキャラの動きのビジュアルがハッキリしているので、
未経験者でも追いやすいのかなと思います。ちょっと❤なスポーツ漫画的な感じです!
やっぱり”モフモフ”ですよ、モフモフ。
羨ましいぞ、裕!🐱w
―—全体としては、くすりと笑えて、恋愛色強め。
でも、テニス描写も熱い。
作者様の構想的には「美人師匠に鍛えられて覚醒して無双する王道もの」とのことなので、 そこも含めて今後かなり楽しみです!🐱