いきなりの戦闘描写から始まる本作。
一人称の『私』と戦闘中の相手。
『私』は誰なのか?なんで『男』と殺し合いをしているのか?
読者には一切の情報を伏せられたまま、物語は高校生の青年、『大河』の日常生活へと移っていく。
そして、大河と出会う、大河とは別の高校の制服を着て現れる少女、『葵』。
そう、葵には『名前』がある。それに、2人の関係はささやかな喜びに満ちており、まるでプロローグの世界線だけが切り離されているような錯覚を覚える。
そして……
この後の展開はネタバレになるのでここまでにしますが、プロローグの置き方が実に憎らしい(最上級の誉め言葉)
最後に全てがつながる展開の妙は最上級のカタルシスを味わえます!
切羽詰まった逃走劇から始まるこのお話は、「何に対しても熱くなれない」空虚さに身を委ねる若者が初めての恋に出逢う青春劇です。途中までは。
皆に平等に優しく接する女性教師を嫌い、自分を空っぽだと思う一方でどこか特別視しているような、若者らしい思考の大河(たいが)。
彼は葵(あおい)と出逢い、徐々に恋に落ちていきます。みるみる活力溢れる男子に変貌していくさまは、まさに微笑ましい青春劇そのものです。
しかし葵の隠し事が暴かれていくと、物語は途端に表情を変えます。終盤は怒涛の展開が続きますので、きっと驚かされることでしょう!
切なさだけではないラストシーンを、ぜひ味わってみてください。
煙草を吸って、だるそうに学校へ通う高校生たち。
最初は、どこか空っぽな若者たちの青春群像劇に見えるんです。
……13話までは。
14話以降は、ジェットコースターのように一気に物語が展開されます。
“春川葵”という少女の正体を追って、売春斡旋、偽造身分、半グレ、地上げ、そして「名前のない子供たち」の闇へ踏み込んでいく。
特に終盤の怒涛の真相開示は圧巻。
「あの時の会話」「あの違和感」「あの伏線」が、全部別の意味を持って襲いかかってきます。
そして最後に残るのは、
“名前”とは何か、
“自分は何者なのか”
という痛烈な問いでした。
青春恋愛の顔で近づいてきて、最後には心を抉りとる。
これはそんな物語。
昔のマンガですが、シバトラ、サイコメトラーEIJIなど読んでた人なら楽しめるかも。
あと、IWGPが好きな人も。