情景がありありと浮かび上がり、語り手の声までも物々しく耳に纏わりついてくる文章が、不穏で美しい怪奇へと貴方を誘う。由緒正しい本邦怪異譚の最前線という感じがしました。淡々と紡がれていく彫琢された言葉。活字ならではの間の作り方が招く臨場感。見えて、聞こえて、感じる。呼吸、視線、喉の弾く音、冷汗の伝う聲。文字を読んでいることすら忘れたら最後、貴方も怪奇の一部分。とてもとても良いものを読ませていただきました。
闇に蠢く魑魅魍魎たちを、恐ろしくも幻想的に描く作者様の、一口サイズの怪奇譚です。ある物語は恐ろしく、またある物語は幻想的に、はたまたちょっぴりコミカルな物語もあるようです。しかしいずれの物語も……怪異の姿が浮き上がって来る事は共通しております。 そこのあなたも、お化けが出る事を期待しつつ、この物語を開いてみましょう。
カクヨム屈指の闇の世界の描き手、小野塚氏が用意した葛籠たち。開けたなら、あちらからはほのかな闇が、こちらからは闇をさらに突き破って戦慄が。どれを開ければ、何が出てくるか。いえ、貴方の目の前にあるのがどんな葛籠か……それも定かではありません。なぜって……ほら、ここはすでに、闇の世界なのですから……。
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(154文字)