勇者パーティから追放されたスキル【トレーナー】の俺、愛の重いポンコツ美少女達を魔王級へ鍛え上げて自覚なしに最強ハーレムを率いる 〜伸び代しかねぇじゃねぇか!〜
第14話 「冒険者は可愛い女の子を連れ歩いて自慢する競技……!」
第14話 「冒険者は可愛い女の子を連れ歩いて自慢する競技……!」
「じゃあ、懸賞のかかった大物モンスターとかいるか?」
「それなら、まぁ……そこの掲示板に書いてありますよ」
受付のお姉さんが顎でしゃくった。
俺は掲示板の前で腕を組み、唸った。
「コカトリスに、ロック鳥、隻眼の暴れ火竜か。飛行系は拳が届かないから苦手なんだよなぁ。賞金首は黒鉄の騎士に、道化師パピヨンか……ふむ」
「あ、隻眼の火竜なら今朝方、討伐されたらしいです」
と、受付が言った。
「ムムッ! そうか。ヘルハウンドの件があったから、危険なモンスターが討伐されるのはまぁいいことだ」
「はい。ヘルハウンドの大群を半壊させたんですよね」
「リーナの一撃必殺の弓矢で、です」
リーナが不敵な笑みを浮かべた。
「冒険者稼業は持ちつ持たれつだ。自分で倒せる危険なモンスターは倒さなければ。このモンスターが生息する世界では、そうしないと人間やっていけないからな」
俺は続けた。
「この辺を縄張りにしてる上級冒険者にも参るぜ。ヘルハウンドは確かに労力に対して旨味がないが……」
「……ジーク様のパーティは火竜退治してましたからね」
「……そうか」
俺はため息をついた。
シャルが気遣わしげに俺を見上げた。俺はそれに気付き、明るい声を出した。
「まぁ、デカい街に来れたことだし、市場があるからな。これで細かい素材が売れる。そうだな、ちょっと良い宿に泊まるか!」
「わたしは実家あるけど、良い宿って見てみたい!」
と、シャル。
「うむ! シャルのお母さんに気遣わせっぱなしだといけないし、それにシャルもいっぱしの冒険者やれてるってところを見せられるしな!」
「やった! こないだより、グレードの高い宿ですね!」
「あぁ、聞いて驚け。……俺たちは今日、中流冒険者がよく泊まる宿、『あんみつよもぎ亭』に泊まるぞ!」
「えぇっ! 豪華すぎるでしょ!」
シャルが目を見開いた。
「一生そんなところ泊まれないかと思ってたよ」
「ハハ、シャルは大袈裟だなぁ」
俺たちは和気あいあいと歩き、都市の中央にある少しだけお高い宿、あんみつよもぎ亭にチェックインした。
シャルとリーナはキャッキャと騒いでいた。浮かれた修学旅行生みたいだな、と俺は胸中、苦笑した。
「やった! やったー! お小遣いでお土産もおかっつぁんに買おうっと!」
「リーナもじいちゃんにお土産コーナーで何か買っていきます」
すると、そこに乱暴に扉を開けて入ってくる集団があった。
若い男と女二人だ。身なりから、すぐに冒険者だと分かる。
「ちょっとジーク! 今日はこんなショボい安宿なの!?」
「いつもなら、もうツーランク上の宿に泊まるじゃないですか。なんでこんな普通か、普通に劣るくらいの宿に……」
「仕方ないだろう。……魔力回復ポーション代もバカにならないし」
――そいつらは、ジーク一行だった。
ジークはワガママな女二人にホトホト参った様子で、続けた。
「強い魔物に全力魔法ブッパ作戦は確かに強い魔物を簡単に狩れるが、金額面のコスパのことは度外視してしまっていたな……」
「まぁね。……こんなにお金が飛ぶとは思わなかった」
イゾルデがポテチを食べながら言った。
グレイスは周りの客のことも考えず、タバコに火を点ける。
お客様、と禿頭の店主が声を尖らせた。
「ここは禁煙ですので……」
「あーん? 勇者一行の、しかも聖女の私に何を言いやがりますか?」
俺は思わず、うなだれた。
――何も成長していない。それどころか、強さを逆行していた。
あんなにも短期間で身体のメリハリを失い、横暴に振る舞うとは。
俺は男泣きに泣こうとしたが、その前にシャルがジークたちに進み出て、キッパリと言った。
「やめなよ。オニイさんたち」
「あん? なんですか? この細っこい小娘は?」
グレイスがタバコの煙を吹きかけた。シャルが思わず、咳をする。
「けほっ……店が迷惑するでしょ。他のお客さんにも悪いよ」
ジークが自分の顎を撫でた。
「……今は未熟な果実だが。なんて上玉な素材だ。五年後が楽しみな子だな」
「ちょっとジーク。何言ってるの? こんなガキに」
イゾルデが言った。意地悪く、シャルをねめつける。
今度はリーナが前に躍り出た。
「おばさんたち、いいかげんにしてください」
「おば……!?」
イゾルデとグレイスが怒りのあまり、顔を青ざめた。
ジークは呑気に、リーナも観察した。
「この娘も凄い素材だ。少しふっくらとしてるポイントも中々……」
「ジーク様黙っててください! よくもイゾルデにおばさんだなんて言ってくれましたね……!」
「いや、おばさんたちって言ってたからアンタも含まれてるでしょ!?」
イゾルデが目ざとく指摘した。
宿が騒ぎにざわざわと揺れる中、俺は静かに立ち上がり、二人の肩に手を置いた。
「二人とも、そいつらに構うな。ほら、行こう」
「チハル……!」
ジークたちがハッとした。
「というと、この可愛い子たちはチハルのパーティメンバー……!?」
ジークが愕然と自分のパーティと俺のパーティを見比べた。その顔には、敗北感がありありと浮かんでいた。
「冒険者は可愛い女の子を連れ歩いて自慢する競技……!」
ジークは歯噛みした。
俺は呆れた。
「いや、競技ってなんだよ。普通にクエストこなすのが冒険者だろ」
「うるさい! クソッ、僕がなんで敗北感を感じないといけないんだ!」
「ちょっとジーク! それどういうことよ!」
イゾルデがキツい語調で言った。
ジークは構わず、続けた。
「しかも、こんな安い宿で喜んでくれるというのか! なんて健気で優しいんだ。やっぱ女の子はそうだよなぁ。それがいいんだよなぁ」
ジークは流し目でシャルとリーナを見つめた。
「お嬢さんたち。そんな筋トレ馬鹿より、爽やかイケメンの僕の方がいいだろ? 僕のパーティに入らないか?」
「えっと……」シャルは困ったように笑った。
「勘弁してください」
「普通、そこはごめんなさいだろ!? 断るにしても! なんなんだよ、勘弁してくださいって!?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます