【黒い馬車】

 俺はあわてて仔猫を追い掛けた

やっと止まったと思ったら そこはこの街の

中央広場だった

追いついた俺は猫を捕まえようとするが



 猫は何故か俺の両手をすり抜けつつ

その脚に絡みついた

『コラ 歩けないだろ』

と猫と戯れていると



 雨に濡れた石畳の上を馬の蹄が闊歩する音

呆気にとられてそこで立ち尽くしていると

真っ黒い馬に引かれた真っ黒い馬車が停まる

黒きシルエットの御者が言う……



『どうぞお乗りください……』

俺は自分の意思に反して真っ暗な馬車に乗ってしまった……

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る