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悲恋の横笛~平安もののけ奇譚~

悲恋の横笛~平安もののけ奇譚~

緑山ひびき

おすすめレビュー

★で称える
★★★
★6
2人が評価しました
本文あり
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本文ありのおすすめレビュー

  • お銀さん
    22件の
    レビューを投稿
    ★★★ Excellent!!!

    月の下、横笛が呼ぶのは恋か、怪異か。

    このシリーズを読むのが楽しみになっている。今回もまた、期待を裏切らない見事な短編だ。

    方違えで少将が訪れた屋敷に、夜ごと響く横笛の音。
    恋の気配と怪異の気配が、すれすれに重なり合い、どちらにも言い切れないまま読者を引っ張っていく構成が魅力。さりげなく挿入されている和歌もよい。

    雅びな語り口のまま、背筋だけがじわりと寒くなる「静かな怖さ」がある。
    嵯峨殿の密かな怒りが伝わってきて、この二人のファンとしてはにんまりとするところ。

    そして何より、タイトルどおり“悲恋”の余韻が強い。
    派手に脅かすのではなく、音と気配と沈黙で心を締める一編。読み終えたあともしばらく、笛の音が耳に残った気がした。

    • 2026年2月7日 05:17