二律背反の解呪師 ―嘘つきの檻とワニの予言―

憮然野郎

読者用あらすじ※ネタバレ無し

「一生、君の言うことしか聞かない」

そんな何気ない恋人への誓いが、物理的に肉体を縛り上げる茨の呪いとなって人々を蝕む現代。

言葉に宿る怨念が実体を持ち、理不尽な怪異となって蔓延る街で、ひっそりと暖簾を掲げる店がある。解呪屋『二律背反(アンチノミー)』。

店主の背反二 律(せばに りつ)は、普段は居候に野菜を食えと説教する温厚な青年だ。しかし、彼が銀縁の眼鏡をかけ直した瞬間、その空気は一変する。

「救済とは、支配のことだ」

冷徹な知性へと変貌した律は、生物学的ロジックと言語学のパラドックスを武器に、歪んだ呪いを「診断」し、論理の刃で解体していく。

彼の傍らには、ワニの怪異である少年・黒田 累(くろだ るい)。かつて律に「ワニのパラドックス」で自由を奪われ、その支配下にあるという彼は、律の「執行者」として牙を剥く。

論理と詭弁が交錯する怪異ミステリ。

しかし、他者を定義し、呪いを書き換え続ける律自身もまた、ある「矛盾」を抱えていた――。

「お前は、俺が次に『ノー』と言うことを当てられるか?」

その問いを突きつけた時、暴かれるのは怪異の正体か、それとも彼自身の喪失したアイデンティティか。

歪んだ世界の理(ことわり)を叩き斬る、ロジカル・ダークファンタジー開幕。

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