第6話

② 集合


朝六時。

同期は一人も欠けることなく、会社の一階に集まっていた。


まだ眠りきらない空気の中で、

全員が静かに立っている。


そこへ、一人の男性が前に出てきた。


「今日から一泊二日、

担当するSです」


「今から、このバスに全員乗る。

よろしくな」


それだけ言って、

Sは振り返り、

停まっているバスを指した。


行き先の説明はなかった。

研修内容の補足もない。


どこへ連れて行かれるのか。

何をするのか。


誰も、聞けなかった。


聞けない空気だったわけじゃない。

ただ、誰も聞かなかった。


そういう流れなのだと、

全員が自然に受け入れていた。

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