その国の特級魔法騎士は、寿命を削りながら魔法を行使し、死ぬ事で相伝の術式と戦術を継承する。
人に過ぎた魔法という力を、世界で唯一使える国。
そこで、兄の力を継ぐ弟、という苛酷な場面から始まるファンタジー。
魔法が技術に凌駕されつつある時代、苛酷な運命に抗い、国そのものの在り方を根本から見直していく女王真波のキャラクターが、特に素晴らしいです。
国民への深い慈しみ、責務、風格、呪いのような既存体制を破る勇気。
そして魔法騎士への愛。
もとより、果断な決断をする少女なのですが、前半は敵国から見た死神(特級魔法騎士)の描写を始め、立場上、表に現れた台詞や動作は淡々と語られており、読み手に「語られない感情」を大きく想像させる構造。
それだけに、女王と弟の魔法騎士二人の、クライマックスに溢れ出る激情と行動と願いは、ひときわ胸を打ちます。
国政、兄弟、バディ。
そして「推しは死にがち」な物語が好きな方にも刺さるはず。
兄様が、最後に出したあの言葉は忘れられません。
すべてが終わってから、もう一度第一章に戻って読んで欲しい物語。
最後まで知ればこれは伏線、は勿論のこと、一度目では感じきれなかった心のうちが行間から色々迸るから!
序盤から終盤まで、ページをめくるたびに感情が揺さぶられ続けました。
最後は泣きながら読んで、読み終わったいまも、思い出すとじわっと涙が浮かびます。
それほど、心を持っていかれる作品でした。
魔法使いが忌まれ、兵器として扱われてきたこの世界。
そのなかで、主人公の響玲は、魔法使いの家系に生まれました。短い寿命と、魔法継承という残酷な運命。そして、兵器として扱われ、蔑まれ……。
響玲はその境遇を、当然のように受け入れて生きています。
真波は、響玲の仕える主君です。
彼女は女王となって、魔法使いを呪いから解放し戦争のない世界を作るために、過酷な道を歩むことになります。
それは、国の危うい未来を救うため、そして何より、魔法使いとして命を擦り減らす響玲を解放するため……。
真波と響玲が初めてであった頃は、真波は純粋無垢で、響玲も大人しい子供だった。
そのふたりが、明確な意思を持って、ある大災害を引き起こします。
優しい二人が、どれほどの覚悟をもって、過酷な道を選び、運命に立ち向かっていくのか……。
ただ、生きたい、生きてほしい、その願いのために二人は突き進みます。
二人の関係性や、人としての成長、その変化を見届ける最終話。
もう、言葉もなく、様々な感情にかきみだされながらも、心から「読んでよかった」と思いました。
読み始めたら最後、絶対に止まれません。オススメです。読んでください!
読み終えても、いまだに思い返すたびに涙が溢れそうになる……そんな、切なく、熱く、美しい物語が本作です。
第一話から、魔法騎士の残酷な運命が示唆され、主人公たちの悲愴なありように胸が苦しくなりますが、これは単なる悲しみの物語ではありません。
悲劇に抗うため、それ以外のあらゆる悲劇を受け入れ、乗りこえていく、自己犠牲とそれを超える強い希望の物語です。
「魔法」という強大な力を持ってしまったが為に、周辺国と戦い続け、魔法使いを非情な心で支配するしかなくなってしまった瑞蓮国。
その状況をなんとか変えたいと願う王女(のちの女王)真波と、彼女の騎士ともいうべき特級魔法騎士響玲、二人の前に立ちはだかる現実はとても厳しい。
綺麗事では済まされない。
無垢なままではいられない。
一度出来上がってしまった、恐怖と憎しみの連鎖。不信の壁。そこから脱することの、なんと困難で苦しいことか。
そんななかでも、少しずつ紡がれていく信頼、愛情、信念……真波と響玲だけではなく、仲間、国民、異国、それらがささやかな個人の絆と心によって大きく連なり、変わっていく様は、何度読んでも胸に迫ります。
やがて突きつけられる「魔法」の意味と代償——
これ以上語るのは、野暮というものでしょう。
ぜひ読んで、この世界の残酷さと美しさを感じていただきたいです。
険しく汚れた道であっても、信じるものの為に踏破していく主人公二人の凄まじい覚悟と勇気、そして信頼、それがあればこそのラストは必見です。
この作品、固有名詞に漢字を用いているので、その名前が持つ色彩や温度みたいなものが伝わってくるところも、読んでいて素敵だなあと感じました。日本語の良さを味わえます。
素晴らしいレビューが既にいくつもある中で、自分なんぞがと思いつつ、やはりこの作品の良さを叫びたいので書かせていただきました。
●こんな方におすすめ
・切ない想い、試練に翻弄される絆、献身的な愛、そういったテーマに弱い!
・魔法は遊びじゃない! 選択と代償について考えさせる作品が好き
・どんなに絶望的な状況でも、未来に光はあると感じさせてくれる物語に出会いたい
個人的には、かなり涙腺アタックが激しくて、人前でうっかり読んでしまわないよう気をつけなければなりませんでした。
できれば番外編なども読んでみたいです。
決して都合のいい能力ではない魔法。
命を削り、国家に鎖で繋がれ、罪悪感で支配される構造。
とても残酷な世界だと感じました。
それでも、闇が深いほど希望の光はまぶしい。
魔力をもつ人たちを削らない国を目指して奮闘する真波。
だんだんと人間性を取り戻し、「生きたい」と願うようになる響玲。
命が削れていく彼にずっとはらはらしながら、二人の未来に悲しい結末が待っていないかと祈るような気持ちで読みました。
失われた命も罪も消えない。
それでも肩を並べ、新しい時代を進んでいくラストが本当に素晴らしかったです。
決して生ぬるくないハッピーエンドでした。
残酷で辛い世界の中で、それでも希望を見続ける物語。
好みど真ん中でした。
素晴らしい物語を読ませていただき、ありがとうございました。
児童文学のように優しくも鋭い切り口で綴られる、魔法使いの国の戦争と、国の未来の為に命を賭けた少年と小さな女王の数年間のお話です。
・弟属性の氷の魔法騎士(歳下)×カリスマ性溢れる愛しき女王
・男性魔法騎士の献身的な愛
・なかなか会えない二人が、絶望的な状況でそれぞれに国の未来の為に戦う姿
……なんだ、書いてて全部がエモすぎて涙が!!!!!。゚(゚´ω`゚)゚。
まだ続きます!↓
【バトルもの好きにも読んでもらいたい!圧巻の戦闘シーン】
政治的パートや日常シーンから、一気に跳ね上がる戦闘の熱量とスピード感がえげつないです!特に第10話の兄弟の訓練は性癖歪められるレベルのかっこよさです!!
【心と時が凍りつく…第7話「静寂の軍港」】
災害級魔法騎士、響玲くんの強さと冷徹さ、虚しさ、優しさ。決して実行たくなかっただろう最悪の計画に、心までが悲しみで凍りつき、全ての悲劇が込められたこの回はこちらの作品内の見どころの一つだと思います…。
恋愛ものがお好きな方にも、魔法使いの過酷な戦いがお好きな方にも、
是非、お手に取っていただきたい大好きな作品です!!