第7話
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村を旅立った二人と一頭は、緩やかに続く街道を進んでいた。
天気は彼等の旅立ちを祝福するかのように快晴。
吹き抜ける風が草原の花々の香りを纏いながら頬を撫でる。
春の暖かさを感じさせる、絶好の旅日和だった。
「う~ん!」
モカは大きく伸びをしながら、胸いっぱいに空気を吸い込んだ。
普段と変わらない筈の空気も、旅の興奮からか、いつもよりおいしく感じられた。
ウキウキした様子で歩く姿は、明らかに浮かれており、これから始まる冒険に胸躍らせる年相応の幼さが見えた。
「さて、こうして旅立った訳ですが、これからのことをもう一度確認しておきましょう。」
モカの様子をニコニコと見守っていたラテが口を開く。
浮かれていたモカも、その真剣な内容に居住まいを正す。
「私達はこれから、正式に冒険者として活動するわけです。」
旅立つ前に幾度も確認した今更なことであったが、大切なことは再三確認するべきという心構えで、ラテは二人のこれからについて語る。
冒険者。
それは危険が溢れるこの世界において活動する、職業傭兵の一種だ。
危険な魔物を狩り、未知のダンジョンを進み、手に入れた報酬で生計を立てる、何処の国にも一定以上の割合で存在する一般的な職業だった。
国が認めるれっきとした職業であるが、その門戸は広く、十歳を超えていれば誰でも冒険者になることができる。現にモカとラテも十歳になった時点で冒険者登録を済ませていた。
一般的に冒険者は荒くれ者というイメージも強いがそれは一部に過ぎず、別の職種に就く者が兼業していることもあれば、冒険者から国の騎士に勧誘される者もいるため、特に忌避されたり下に見られたりする職業という訳ではない。
「先生に指導を受けたとはいえ、私たちはまだまだ
目的地に着くまでの道中、積極的に冒険者として経験を積んでいきましょう。」
「うん。実際、先生の引率なしで旅したことはないもんね、僕ら。」
自力での初めての旅であるからこそモカは浮かれていた訳で、そのことを自覚し、気合を入れ直す。
「とはいっても、そんなに気負わなくていいとも思いますけどね。
私達なら問題なく旅ができると思ったからこそ、先生も許可を出したのでしょうし。
まずは最初の目標地、モント村を目指しましょう。
この調子でいけば、明日か明後日にはたどり着けるはずです。」
「よし!じゃあ元気出して出発だ!」
「ふふ、頑張りましょう。」
元気良く歩き出すモカ。
微笑みながら続くラテ。
ヴェェと、間の抜けた声で鳴くバリー。
彼らの旅路は始まったばかりだった。
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