ハロー。
いや、誰に向けて言えばいいのか分からないけど。
とにかく、声を残す。
俺は――名前は、まあいいか。
特別な人間じゃない。ただの、ちょっと腹の出たおじさんだ…。
凄いな、驚いている。
まったく、とんでもない人間がいたもんだ。
たまたま『静かな光の本棚』という企画から流れ着いた。
企画主の「リド。」さんに感謝してくれ、企画がなければここには辿り着かなかった。
まさか小松左京さんの『復活の日』のような作品に出会えるとは思わなかった。
向こうは長編、こちらは短編だけどね。
ここにこの物語をもっと聴いて(読んで)もらえるよう、ここにメッセージを託す。
誰か、応えてくれ。
メッセージを真似たことは許してくれ。
世界がより平和で、より幸せになるように。
オーバー…
陸地の大半が海に沈んだ世界。
誰もが世界の終末を嘆き、絶望していた頃。
一人の男が壊れかけのボイスレコーダーを修理し、そこに声を残した。
そして、それをコンテナに入れて海に流すことを決めた。
「僕たちは、まだ生きている」
生きている場所も、暮らしている環境も、抱えている思いもそれぞれ異なる人々が、たった一つのボイスレコーダーによって繋がり、かすかな希望を繋いでいく――――。
この作品は、一話1000文字未満の短編連作です。
そのため一瞬で読めてしまいますが、読後にはほんのりと温かい余韻が残ります。
”文明崩壊後の人々の声を記録していく物語”とだけ聞くと、人類のカタストロフィが描かれているものを想像してしまいがちですが、この作品は違います。
崩壊した世界においても、人は優しく、自分以外の誰かのためを思って行動することができる。
そんな、作者様の素敵な考え方に触れられる物語です。
是非ご一読くださいませ!