陸地の大半が海に沈んだ世界。
誰もが世界の終末を嘆き、絶望していた頃。
一人の男が壊れかけのボイスレコーダーを修理し、そこに声を残した。
そして、それをコンテナに入れて海に流すことを決めた。
「僕たちは、まだ生きている」
生きている場所も、暮らしている環境も、抱えている思いもそれぞれ異なる人々が、たった一つのボイスレコーダーによって繋がり、かすかな希望を繋いでいく――――。
この作品は、一話1000文字未満の短編連作です。
そのため一瞬で読めてしまいますが、読後にはほんのりと温かい余韻が残ります。
”文明崩壊後の人々の声を記録していく物語”とだけ聞くと、人類のカタストロフィが描かれているものを想像してしまいがちですが、この作品は違います。
崩壊した世界においても、人は優しく、自分以外の誰かのためを思って行動することができる。
そんな、作者様の素敵な考え方に触れられる物語です。
是非ご一読くださいませ!