地図をみると、現在のタラズ市も東と西の狭間に揺れている場所にある。遥かな唐の時代から、地球上の時間はさほど経っていないのかもしれない。
この世界で、時の流れはぽつんぽつんと時間ごとに存在するのではなく、繋がりが地層のように重なっていく。人と人との繋がりも同じく、少しずつ重なりをみせる。現地に生きる族長は、東と西の激突を見ながら、一見悠々と采配をめぐらせているようだ。流れに沿って泳ぐ魚のように。だが、それは、ある意味紙一重の賭けであり、間違えば一族は事もなく消滅させられる。そこを知恵で生きていく。これはそういう話だと思う。
極限の見事な、命を懸けた知恵をどうか、読んで体感してほしい。