僕の動機

@ittunsann

第1章「少年たちの動機」

2026年6月1日――神原家。

 

 一人の男子高校生、神原信也は今の政治に強い不満を感じていた。

「今の日本の治安は最悪。大量の移民を政府が受け入れたせいで今の日本は最早瀕死状態だ。どうしてこんなことに...」

 この国は現在の総理大臣になってからというもの、急速に左派が拡大、移民政策が進んでいた。この移民政策は、国籍を問わず受け入れ、文化交流、難民問題解決を進めるというものだ。だが現実は日本文化が破壊され、難民を偽った外国人による数々の犯罪...と、成功に至っていない。因みに警察はあまり機能していない。外国人による暴力は目をつむるくせに、日本人の正当防衛は認めずに逮捕。本当、終わりだよ、この国。

「ぼくが変えないと...革命をおこさないと...日本を救うために」

 神原信也は瀕死状態の日本を救うために革命を起こすと心に誓った。

 

 2026年6月5日――東京郊外の廃工場。

 

 東京郊外の廃工場に数人の高校生が集まっていた。この集団は神原信也が自分と同じく今の政治に強い不満を持ち、革命を願っている人物を集めたものだ。人数は神原を含めて5人。メンバーは、三輪和也 桐生羽奈 橘直哉 朝倉修平 そしてリーダー、神原信也。

「さて、大和救国連合軍、集会を始める」

 神原信也の一言で、これまで談笑していた4人は気持ちを引き締め、神原信也に視線を送った。

 「組織名、決まったんだな!」

 思春期の男子高校生が発すると思えないような声で叫んだのは三輪和也。三輪は体育委員で、先生の間でも、元気があってクラスのムードメーカーという評判だ。先生たちは三輪が過激派組織の一員だとは夢にも思わないだろう。

 「ところで何で名前を大和救国連合軍にしたんだ?」

 名前の由来が気になったのか、橘が質問をして来た。大和救国連合軍、この名前にはしっかりとした意味があった。

「まず俺がいまの国で一番必要だと思ったのが大和魂だ。そして俺たちは瀕死状態のこの国を救わないといけない。」

 神原信也が一番大切にしている事、それは大和魂である。神原信也の大和魂の定義は、理屈や外来の価値観に流されず、誠と責任をもって自ら決断し行動する日本的精神。というものであり、神原信也はそれを信念に革命を目論んでいる。

「で、俺らは何したらいいの?」

 そう疑問を呈したのは朝倉修平。この中で一番ヤンチャというか、気が強い人物である。朝倉の家庭は母親のみ、所謂シングルマザーというやつだ。朝倉は週5で働いていて、母親は事情があり働けていない。つまり朝倉は一人で弟と母親を養っているのだ。とてもマネできたものじゃない。俺は朝倉へ畏敬の念をいだきつつ、質問に答えた。

「まず、snsを通じて君たちにあった事を発信してほしい。つらいだろうが、これはこれから起こす革命にとても重要なんだ。」

 そしてぼくは彼らに頭を下げた。何故なら彼らに起こった事は想像を絶する様な出来事であり、俺なんかが軽く扱っていいことじゃない。

「そんなの...やるにきまってるじゃない!私も、確かに思い出したくもないようなことがたくさんあった...けど、私は日本を救いたい、だから何でもする」

 ぼくにそう言ってくれたのは桐生羽奈、同級生の女子だ。黒髪ロングに透き通るような肌という華奢な女の子だが、気が強く、よい性格をしている。

 そして俺たち、大和救国連合軍は革命の準備を始めた。

 

 一時間後――神原家。

 

 集会が終わり、家に帰宅した。特にすることはないが、両親に疑いをかけられないようにするため、いつもの通りのルーティンをこなすことにした。

 最近はsnsやニュースを見ることが多い。snsとニュースを見比べてみると、大きな差があった、snsは外国人との交流の投稿もあるが一番多いのは、外国人が起こした犯罪、マナー違反などについての投稿や記事ばっかりだ。ニュースはというと外国人との交流ばかり取り上げており、外国人の迷惑行為については一切語っていない。

 snsを見ていると、「外国人が留学中に出会った日本人女性と結婚」という投稿が流れてきた。ふと、俺は迷った。自分がしている事は本当に正しいのか、俺が目的を達成されたらこのような人たちが迫害を受けるかもしれない。この幸せを壊してしまうかもしれない。だけど、俺たちは革命をやり遂げないといけない。

 この政治に対し、批判する人は確かに大勢いる。デモだって起こしている。だが政府は聞き入れちゃくれない。俺たちがやらなくてはいけない、暴力による革命...そんなの褒められたもんじゃない。でも、俺達にはそんなの必要ない。この国を救うためなら...俺は悪人になる必要がある。そして、悪人としての正義を成し遂げる。


 7月1日――警視庁。

 

 「神谷修二、君には国家安全監理班に配属してもらう。」

 と上司は俺、神谷修二25歳に告げた。驚いたもんだ。

 「どうして俺なんかが?俺の同期には優秀な奴なんてたくさんいますよ?」

 と俺は上司に疑問を投げつけた。公安一の怠け者、なんて言われている俺が国家安全管理班とかいう優秀なやつしかいないところに配属させるのか疑問しか浮かばなかった。

 国家安全監理班...それは国内の危険思想をもつ人物、組織を監視してテロを防ぐ事を仕事としたつい先日設立された組織だ。とても俺なんかができる仕事じゃない。まあでも拒否...なんて選択肢はないんだよな。上司の命令は絶対だから。

「悪いが君には拒否権はない。大人しく従ってもらう。」

 やっぱり俺には拒否権なんて言葉は存在しないらしい。正直、面倒くさいことはしたくない、だが俺には1つしか選択肢がなかった。

「了解。」

 俺は国家安全監理班に配属することとなった。そして早速俺は上司にとある部屋へ案内された。

 たくさんの資料が並べられている棚。電子ケトル、ティーポットが置いてある机。そして仕事机が6つほど並べてある。恐らくここが監理班なのだろう。6つほどある仕事机は俺を含め5人のもので、もう1つは上司のもの。それで机に座っているのは部屋に来る途中で上司に教えられた俺以外の4人のメンバーで、左側一番奥の机に座っているのは篠原青。その手前が進藤直人。右側が奥から黒崎恒一、九条玲奈。

 「では早速だが君には仕事をしてもらう。」

 なんとここは一人ずつ別の人物や組織を担当するらしい。そして上司から俺の担当が告げられた。俺が担当するのは大和救国連合軍という最近ネットで目立ってきている組織らしい。その大和救国連合軍は5人ほどで構成されているらしく、それぞれが現在の政策によって国に入ってきた移民外国人に被害を受けたらしい。俺の仕事はメンバーの素性を明かすことと、組織を監視して何か行動を起こそうとしたら即捉えて尋問、テロ行為を未然に防ぐこと。尋問については方法を問わないらしい。未成年であっても危険思想を持つなら関係ないそうだ。だが俺は腐っても公安だ。国を守る責務がある。やるしかないのだろう。俺は早速仕事に取り掛かった。まずsnsから調べたがネカフェなどが使用されており、住んでいる地区しか特定出来なかった。でも住んでいる地域さえ特定したらコッチノもんだ後は徹底的な張り込みを行えばよい。上司からも張り込みには他の監理班の連中も使って良いと許可を得た。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

僕の動機 @ittunsann

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ